第一幕その三
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「日本のことをよく知る様になったよ」
「そうですよね」
「日本以外の国のこともね」
ボームさんは神宝も見ました。
「知る様になったよ」
「中国のこともですね」
「うん、ブラジルやロシアのこともね」
ボームさんはカルロスとナターシャも見ました。
「知る様になったよ」
「そうですよね」
「いや、本当にね」
実にと言うボームさんでした。
「アメリカの多様さは面白いし素晴らしいね」
「ボームさんがおられた頃のアメリカと今のアメリカは違いますね」
「全く違うよ」
それこそとです、ジョージにも答えます。
「何もかもがね」
「やっぱりそうですよね」
「テレビもなかったし」
「はい、まずは」
「ラジオだけだったね」
ボームさんがアメリカにいた頃はというのです。
「あの時は」
「そうだったよ、けれどね」
「けれど?」
「あの時はあの時で楽しかったよ」
「テレビがなくてもですか」
「ラジオでもね。それにどんどん色々なものが出て来て」
ラジオだけでなくというのです。
「潜水艦や飛行機も出て来てね」
「あっ、そういえば」
ボームさんのお言葉を受けてです、ジョージは言いました。
「オズの国もそうでしたね」
「この国はアメリカが反映されるね」
「はい、だからですね」
「アメリカにどんどんそういったものが出て来て僕は凄く嬉しかったけれど」
それでもというのです。
「それがオズの国にも反映されていてね」
「そのこともですね」
「嬉しかったよ」
そのどちらもというのです。
「とてもね」
「そうだったんですね」
「アメリカのこともオズの国のこともね」
「あの、ボームさんはどちらがよりお好きですか?」
神宝は笑顔でお話するボームさんに尋ねました。
「祖国アメリカと今おられるオズの国と」
「両方だよ」
これがボームさんのお返事でした。
「僕にとってはもう両方が祖国だよ」
「アメリカもオズの国も」
「うん、両方ね」
「そうなんですか」
「けれどまさかこうして王宮に入るとは思わなかったよ」
ボームさんはそこまではというのです。
「そしてこうしてオズの歴史を編纂しているなんてね」
「アメリカにおられた時の様に」
カルロスはあえてボームさんにこう尋ねました。
「同じくですね」
「うん、引き続きこの仕事が出来て」
「それで王宮に入られたことは」
「オズの国にいつも行きたいと思っていたけれど」
アメリカにいた時はです。
「こうしてオズの国に行くことが出来てしかも王宮にいられるなんてね」
「思っていませんでしたか」
「そこまではね」
「けれどボームさんなら当然じゃないんですか?」
恵理香はこう言うのでした。
「だってオズの国を私達の世界に最初に紹介
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