第一幕その二
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「暖かい位だから」
「いつも春のオズの国はね」
「ナターシャにとっては嬉しいものなんだね」
「行くだけでも」
「そうなの、では行きましょう」
微かに笑ってです、そしてでした。
五人は席を立ってでした、そうして。
八条大学の時計塔のところまで行ってでした、そこの青い渦の中に入ってです。そのうえで五人一緒になのでした。
オズの国に行きました、そして。
王宮に来るとです、ジィージがオズマに尋ねました。
「あの、ボームさんはおられますか?」
「王室付の歴史編纂室長のあの人ね」
「はい、あの人はおられますか?」
「おられるわよ」
微笑んで、です。オズマはジョージに答えました。
「この王宮にね」
「ではお会いしていいですか?」
「そういえばね」
ジョージのお願いにです、オズマも気付きました。
「貴方達ボームさんとお会いしていないわね」
「はい、そのことに気付きまして」
「ボームさんにお会いしたいのね」
「はい、じゃあお会いしていいですか?」
「いいわよ、ではね」
「はい、今からボームさんのところに行ってきます」
「そうします」
ジョージが五人を代表してでした、そのうえで。
皆で一緒にでした、ボームさんのお部屋に行きますと。
そこに穏やかなお顔立ちでお髭を生やしたスーツの方がおられてです。五人が扉に来たところででした。
自分から出て来てです、こう言って来ました。
「やあ、ようこそ」
「あっ、ノックしようと思ったら」
「扉を」
「もうですか」
「察しておられたんですね」
「そうだよ、足音が聞こえたからね」
扉のところにです。
「若しやと思ったら」
「僕達が来ていた」
「そういうことですね」
「いや、じゃあ」
「今からですね」
「お邪魔していいですか?」
「いいよ」
穏やかな笑顔で、でした。その人ボームさんはです。
皆に頷いてでした、お部屋の中に入れてくれてです。皆にお菓子とお茶を出してくれました。お菓子は外郎、お茶は番茶です。
そのお菓子とお茶を出してです、ボームさんは言うのでした。
「日本のういろうもいいねえ」
「名古屋のお菓子ですね」
「うん、実はこの国に来るまでは日本のことを知らなかったんだ」
こう恵里香に答えるのでした。
「あまりね、けれどね」
「オズの国に来られてからですか」
「知る様になったよ」
こうお話するのでした、皆と同じテーブルに座って。
「かえってね」
「そうなんですね」
「皆知ってると思うけれどオズの国はね」
「はい、アメリカが反映されますよね」86
ジョージがここでボームさんに応えました。
「そうですよね」
「うん、だからね」
「アメリカに日系人の人が増えて」
「日本文化が入るとね」
「
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