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オオバコ
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オオバコ

                          オオバコ
 カブトムシの太郎と二郎がです。今互いに言い合っていました。
「どうしてもっていうんだな」
「そうだよ」
 お互いに言い合います。彼等は森の中で喧嘩をしています。
「だって君が悪いんじゃないか」
「僕が悪いって?」
「君がだよ」 
 二郎が言います。
「君があの時ああしたから」
「ああしたからって。あの時はだね」
「けれど言ったじゃない」
 また話す二郎でした。
「そうだろ、あの時」
「それはね」
 太郎もこのことは認めるしかありませんでした。
「言ったよ」
「ほら、言ったじゃないか」
「けれどそれが悪いっていうのかい?」
「うん、悪いよ」
 その通りだと言う二郎でした。
「だから君が悪いんだよ」
「いいや、僕は悪くないよ」
 太郎はムキになって二郎に言い返します。その角を振りたてながらです。
「僕はね。絶対に悪くないよ」
「けれど君がやったんじゃないか」
「どうしてもって言うのかい」
「言うよ、何度でもね」
 二郎も引きません。
「言ってやるよ。本当に」
「そうかい、それだったらね」
 太郎の言葉に剣呑なものが宿りました。
「もういいよ」
「諦めたんだね」
「諦めるものか。もうこうなったら」
 ムキになった声でした。
「僕にだって考えがあるからさ」
「考えだって?」
「言葉で言って駄目なら」
 太郎はその角をまた振りかざします。そのうえでの言葉でした。
「これだよ」
「やるってのかい」
「そうさ、やるさ」
 二郎に対してこう言います。
「いいかい?やってやるさ」
「そうかい、それならね」
「受けるんだね」
「受けてやるさ」
 二郎は強い声で返します。
「それじゃあ。いいね」
「よし、じゃあ」
 こうしてです。太郎と二郎が喧嘩をはじめました。
 何度も何度も戦います。太郎も二郎も引きません。お互いに傷だらけになってもです。それでも喧嘩を続けるのでありました。
 けれどその日は決着がつかずです。二郎が言ってきました。
「今日はこれで終わりにしないかい?」
「逃げるのかい」
「違うよ、また明日だよ」
 明日続きをするというのです。
「また明日。続きをしよう」
「そう言うんだね」
「それでいいよね」
 ムキになった感じで太郎に言います。
「明日で」
「いいさ。もうね」
 太郎もかなり疲れてきました。それで二郎の言葉に頷きました。
 そうしてこの日はお互い引いて身体を休めました。そして次の日。
 太郎は寝て怪我を癒して昨日喧嘩をした場所に来ました。そこに二郎がやって来ました。その二郎の姿を見てみるとです。
 何と怪我一つありません。奇麗なものです。太郎はその
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