2部分:第二章
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第二章
「それじゃあ僕頑張るよ」
「私も」
「うん、皆で頑張ろう」
お爺さんはまた子供達に言いました。
「皆でね」
「はい」
「わかりました」
こうして皆頑張って木の葉を集めました。ベンチの前に木の葉を一杯に集めました。そしてお爺さんと子供達はその木の葉の山を囲んでいました。その前に子供達は出してきていた箒や熊手をなおしました。お爺さんは暫く一人でいましたが今はここにいます。
お爺さんが懐からマッチを取り出してそうして火を点けると。すぐに木の葉は燃えはじめました。ぱちぱちと音を立てて細い煙を立てながら燃えだします。
「燃えてますね」
「何か少しずつ暖かくなってきてますね」
「そうだろう?働いた後はね」
お爺さんは木の葉が燃えるのを見ながらにこやかに笑って子供達に告げます。
「こうしてあったまるといいんだよ」
「焚き火でこうして」
「あったまるんですね」
「そうだよ。そしてね」
そのうえで今度は棒を出してきてそのうえで。木の葉の山の中にそれを突き刺してそこから何かを出してきました。それが何かといいますと。
「あっ、お芋?」
「お芋ですか」
「そうだよ。お芋だよ」
お爺さんはまた子供達に答えました。
「焼芋だよ。さっき買って入れておいたんだよ」
「そうだったんですか」
「わたし達が箒とかをなおしている間に」
「うん、そうだったんだ」
子供達にその焼芋を見せながら教えてあげます。
「これはね」
「じゃあお爺さん」
「そのお芋おじいさんが食べるの?」
「僕も食べるけれど僕だけじゃないよ」
お爺さんは女の子の一人の質問に答えました。
「これはね」
「ええ。これは?」
「どうするの?」
「皆で食べるんだよ」
こう話すのでした。
「皆でね」
「じゃあぼく達も?」
「食べていいんですか?」
「そうだよ。皆でお掃除したからね」
だからだというのです。
「皆で食べよう。ちゃんと皆の分も買ったからね」
「はい」
「それじゃあ」
「焼けてからね」
言いながらそのお芋を焚き火の中に戻しました。
「皆で食べようね」
「わかりました」
子供達はお爺さんの言葉に笑顔で頷きました。そのうえで楽しい笑顔で木の葉を集めた焚き火を囲むのでした。秋のある日の静かな一日のことでした。
木の葉 完
2009・8・20
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