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ソードアートオンライン  〜蒼き神速使い〜
36 当面の心配

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「はあ・・・」
俺は今ダイシーカフェに向かっていた。月曜日だというのにキリトに呼び出しを食らったからだった。
「まあ、たぶんあんときの約束果たすってやつだろ・・・」
ダイシーカフェのドアを開けると相変わらずコーヒーのいい匂いがしていた。
「ようキリト。エギル」
「遅いぜソラ」
「よくきたな」
キリトとエギルはカウンターで二人話していたらしい。
「ほかに客はどうした?」
「見えなかったか?今日は休店日だ」
ああ。なるほどな、と適当に相槌をたたきながらキリトの隣の席に座る。
「今日はお前のおごりだろ?」
「当然だ。でもほどほどにしてくれよ」
「エギル、この店で一番高いのは?」
「え、ちょっと待てよおい!」
とギャイギャイ騒いでいるとエギルがコーヒーを出してくれた。
サンキューと一口啜ると芳醇な香りが漂った。
「で?キリトは何のようだ?月曜日に呼び出したってことはお前も何かいいたいことがあるんだろ?」
「ああ。でもまあ急ぐようなことじゃないしな。お前も何かあるんだろ?」
「ああ。・・・今度SAO生還者の学校がついに始まるだろ?」
「え?」
「え?」
しばらくの硬直。え、って何だよ。
「いや、SAO生還者の学校が始まるだろ?」
「そうなの?」
再び沈黙。・・・。
スパコーンといい音を立てながらキリトの頭をたたくと俺は怒鳴った。
「何で知らないんだよ!?」
「何で知ってるんだよ!?」
「いや葉書き来てただろ!?見てないのか!?」
「いやきてなかっただろ!?見てねーよ!っていうかいつ来てたんだよ!?」
「はあ!?先週届いてたぞ!?」
「嘘だろ!?」
ゼエハアゼエハアと肩で呼吸しながらお互いに顔を見合わせる。
「リーファに聞いとけ後で」
「わかった話を進めようか」
「で俺ん家から学校が遠すぎてさ、今下宿探してるんだ」
「なるほど」
「で、家賃払うからお前の家にしばらく泊めてくれ。伯母さんが『出て行け出て行け』うるさいんだ」
「わかったいいぞ」
「・・・え?」
「だからいいぞって。いつでも来いよ。たぶん了承してくれるから」
「恩に着る」
「だからいいって。明日から来いよ」
「わかった。じゃあ次はキリトの話か」
「ああ。実はな・・・」




そして翌日。
「よろしくお願いします」
と俺はキリト家の皆さんに挨拶をしていた。
「よろしくね。ソラさん」
何とか暖かく出迎えてくれ、とりあえず当面の心配事は消えた。
あとは・・・。
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