衝動の焔を鎮火せよ
[7/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
それはまるで何がおかしいのか、本人ですら分かって居ないかのように。
衝動に突き動かされるかのように。
「Ahahahahahahahahahahahahah!!」
「うらあぁぁっ! う、りゃああぁっ!!」
右手を出すのは危ない―――本能的にそう悟り、ラースも力を注ぎこみ、相手の小技抜きの連打を、猛撃を、ラッシュを尽く左腕で撃ち落としてく。
グラトニーの “風交じり” の迎撃を、ウージは何も考えず己の体に傷がつくのも厭わず、パワー任せに只管連檄を討ち放ってくる。
その姿は己が名前の【Urge(衝動)】を、正に行動で表していた。
度重なる炎の拳打に押され、押され、押し返されていくのは、先までの展開と違いグラトニーとなってしまう。
『相棒、後ろに回転シナ!』
「……《風刃松濤》!!」
「s?p?gs!?」
防御姿勢すら取ら無い今のウージでは防げず、風の刃で胸と顔面を抉られた。
グラトニーは掌からも空気を噴射し距離と取るも……爆音と共に三度ウージが攻め込んでくる。向きを変えても追撃は免れない。
「liesma! liesma!! 《火猿腕》!!!」
「うるさいよっ! 加速式っ―――《風撃颯》!!」
『俺も乗せるぜェッ!』
ならば自分もより前へ。
幾度ぶつかり合う、紫色の嵐とガーネットの大火により、最初に巻き起こったものとは、比べるのもおこがましい熱波の嵐が拡散した。
「apdegums……apdegumsーーー!!」
「負ける、かあああぁぁぁぁーっ!!」
五月蠅く吠えるウージ、負けじと雄叫びを上げるグラトニー、押しも押されもせぬ大技の衝突に、ピシリと音を鳴らて破片を上げ、一つの物理的な亀裂が生まれた。
『やっぱ野郎は傷ついてるンダ! この紫の破片が物語って―――――ハ?」
そう、紫の破片が飛び散って。
しかし傷ついているウージは、ガーネット色の体を持つ筈。
……つまりこの体は―――
「うぐっ!?」
「Flightless Flightless!!」
「あああああっ!!」
押し負けてしまった、グラトニーの物に、他ならない。大きなは快音を立て、派手に吹き飛んで行く。
武器である左腕は確かに彼女の体の一部でもあるが、痛みの元の体と同様に感じるとは、誰も言っていないし決まった事でもない。
加えてグラトニーとラースが一心同体とは言えど、お互いの体の状態まで細かに分かる訳ではない。
「ぎあ……ああああぁぁぁ!?」
『相棒!!』
痛みに悶え、転げまわるグラトニー。
右腕
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ