衝動の焔を鎮火せよ
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を取らざるを得なくなった。
「むっ……はっ! たぁ!」
「vai n?k……!」
三度目。
両サイドから突き出されたウージノ掌の間を縫って、グラトニー懐へ進むがまたも “第二の両腕” が立ちふさがる。
両腕のラースから借りた力を微弱に纏わせ、ラースの指示なのか敢えて真正面から組み合う。上から体重込みで押されれば、グラトニーが不利なのは一目瞭然。
……そこを逆手に取った。そのまま一旦前方から下へ潜り込み、噴射で勢いをつけて今度は上へ。
後ろから来る炎腕達をカマイタチで次々払い、空中ブランコの要領で体勢を変えて、右脚を顔面に打ち込んだ。
それでも “第三” の手で勢いは減衰され、ウージは立て直すべく爆炎を起こして即座に移動し、着地からすぐ脚を曲げた。
「ッ!!!」
「うわ……あぐっ!」
四度目。
腕だけでなく体の各所から炎を吹き上げ突貫してくるウージに対し、グラトニーは加速と気流発生を両立させ、体ごと回転して受け流す。
だが、ウージは又も爆炎を熾し此方に戻ってくる。蹴り自体は避けたが上・中・下段と別れた炎椀の一つを捌き切れず、大きく吹き飛ばされた。
それでも、左腕が横に掲げられているのを見る辺り、防御には成功したらしい。
「やあああぁぁっ!!」
「Labs……labs!」
自分へ向けたグラトニーの疾走に、ウージが対応し又も両手を構え、五度目が始まる。
―――――そう思われた、その瞬間。
「……! Pazudu?o……!?」
一瞬彼女の姿が揺らいだかと思うと、幻のように忽然と消え失せる。
―――と、後ろから岩の砕ける音が聞こえた。
「…………iztr?ksto?s……?」
姿が無いのは当然、音は無く気配すらも断たれ、グラトニーがいた痕跡など、それこそ何も残ってはいない。
逃げ果せたとするにしても、理由のない突然の出来事の為、可能性には入らない。
ならば何処へ―――――
「!」
突如として気配を感じ、ウージはハッ! と上へと顔をやる。
「はああぁぁぁ……!」
静寂が嘘のように轟音を上げ、拳を後ろに引き絞り、既に構えた……グラトニーが落ちて来ていた。
忽然と姿を消し、突然に現れた彼女にもウージは反応するも距離が近い。
それでも構え、此方は両拳を後ろへ引き絞る。
「《風撃颯》!!」
「《熾焦連》……!」
憤怒と暴食の力が合わさりし鉄風の剛拳と、幾本にも枝分かれして飛ぶ煌炎の拳。それらは盛大に爆音を鳴らして衝突する。
今度
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