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寄生捕喰者とツインテール
衝動の焔を鎮火せよ
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も完璧な優劣では無く、先の一撃が当たった様に、距離やら火力の大小もあるのだろう。
 そんなラースの、大分噛み砕いた説明に……グラトニーは分かったのか分かっていないのか首を傾げている。


『ブン殴りゃいいんダヨ! 細かな事は俺が指示を出す! 力の譲渡も小出しでサポートするゼ!』
「ん、りょーかい……!」


 《壁風凩》を解除すると、次の攻撃に備えるべく使っていた分の空気を幾らか腕で吸引し、いたん体を沈めて頭狙いの拳を回避。そしてサマーソルトキックから後方退避へつなげる。

 利かないと分かっているからこそ、ある程度属性力を込めた風弾を投げつけた。
 出鱈目に投げつけられた攻撃が地を砕いて炎とぶつかり、辺り一面に大量の煙を噴き上げる。


Vai j?s(そう)n?kt, lai(きたか)……」
「……やああぁぁっ!」
Pie?emsim, piecelties un ar sa?emto(受けて立とう)


 紫の右フックを受け止め、ガーネットのアッパーが空を切り、体を捻って紫が左から、ガーネットが上から、またも紫が次はガーネットが。
 紫、ガーネット、紫、ガーネット……余りにも鮮やかに、絶え間なく拳の引く光芒が飛び散る。


「一発―――《風撃颯(ふうげきはやて)》!」
「《火猿腕(アルム・ペールティキス)》……!」


 身長差のある徒手空拳(ステゴロ)での殴り合いから、一転して互いの剛力宿る拳をぶつけ合い、威力から飛び退いた様に距離が離れる。


 爆ぜるほどの力で地を蹴り、勢いを活かして空を駆り、ぶつかり合いが更に加速していく。


「らあっ!」
「……!」


 中央で再び開始される、ショートレンジの応酬。


 グラトニーの突進ストレートは、腰を低くし片手で受け止められる。
 そこからウージは左腕と “第二の右腕” をクロスし、グラトニーめがけコンマ数秒間隔で右左と裏拳を繰り出す。

 避けて跳び上がった彼女へ挟みこみを狙い、しかし空気噴出で空中で軸をずらされ一度目は空振り。
 二度目に合わさった “第二の” 両手を足場として、グラトニーは後ろへ跳んだ。


「……Uo Eh……!」
「う、りゃっ!」


 二度目。

 火の粉舞う右ストレートが『憤怒』の力を宿せし右拳とぶつかり、風により加速する左ジャブが二撃とも火焔の拳に受け止められる。

 ウージのガーネットの光芒を引く回し蹴りを、グラトニーは紫の髪を靡かせながら体を横倒しにして回避。
 そのまま逆立ちして右足を振り降ろし、襲い来るソバットを迎撃する。

 振り降ろされた腕と腕がぶつかり合い、ウージの腕が “分裂” し始めたのも束の間……爆風が巻き起こり距離
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