衝動の焔を鎮火せよ
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き締めて行キナ!』
「……ん! ちょっと覚悟、足りなかった」
その言葉と同時にグラトニーから発せられる圧力が増し、それを受けてウージもまた己の威圧感を増幅させた。
「……最初から最高……! ―――だから《風砲暴》!!」
「Hmm……Medija cilv?ki」
右足からの爆風で錯乱させ瞬時に跳躍、空中斜め後方に陣取り逆さになりながら、破壊の竜巻をウージめがけて放つグラトニー。
ウージは軽く体を傾けて見やり、此方も射出こそしないが腕と成る大火をより燃え上がらせ、仮面や足にまで伝わらせる。
片や必殺なる威力の一撃、片や攻撃でも防御でも無い対処、勝敗は明らかに見えた。
「……へっ……?」
だがその当たり前は、直前で竜巻が “有らぬ方向へ曲がった” 事により覆された。唐突に起きた不可思議な現象に、グラトニーの眼は丸くなる。
『止まるな相棒! 早く飛ベ!』
「あ……クッ!」
休ませる気なく飛び交ってきた、見た目か細く力は大きい10本以上の “炎腕” を、一直線にダッシュして地上へ墜落する事で逃れ、余りの勢いから岩が隆起する。
……と同時にズガァン! と岩石が爆発し紫の影が飛び出、グラトニーが弧を描いてウージに迫った。
「……も一発!」
近距離で向けた掌から、二度目の暴風が姿を現す。
「Uo Eh!!」
今度は逸らされず、しかしウージによる爆炎を利用した抵抗で、大きなダメージは与えられなかった。
『なるほどナ。相棒! 一旦壁!』
「おーけー……―――《壁風凩》!!」
叫び気による気合い入れと同時に……ただ堅さを、サイズの大きさだけを求めた、不定形な暴風域により形作られる “嵐の壁” が現れた。
ただ平面的に守るのではなく、軽いドーム状と成っているおかげで、少しの間なら多方面からでも攻撃をしのげそうだ。
その紫色に光る壁の中で、ラースはグラトニーへ話しかける。
『いイカ? コイツには接近戦じゃないと不利ダゼ』
「……何で?」
『力の性質の差ダ。相棒は空気を取り込んで性質を与えているダケ、でもアイツは力そのものが炎ダ。直接的な威力の優劣は知らンガ、単純にぶつけ合うとなるとアイツの方が有利ダゼ』
詰まる所、炎による気流の変化は属性力がかかわっていても尚反映されるらしい。
その所為で極端な高温を受けると、性質変化頼みで幾らかが『ただの空気』であるグラトニーの攻撃は、『特殊且つ属性力の割合が大きい』ウージの炎腕の能力にて、無効化とはいかずとも軌道を変えられてしまうのだ。
それで
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