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寄生捕喰者とツインテール
衝動の焔を鎮火せよ
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 地面に穿たれた小さなクレーターの中心部、そこに風をつかさどるかの如く、体の周りに滞留させている少女がいる―――――グラトニーだ。

 よく見ればそれは周囲を取り囲んでいると言うより、放出と吸引を繰り返している際に発生した空気の流れと、そう言った方がしっくりくるものだった。


「ふぅ……」
『ギリギリってとこダナ。まだ嬢ちゃん達は生きてルカ、ボロボロだがヨォ』


 間一髪の所で割り込んだグラトニーは、しかし風も纏わず防御体制でも無かったからか、軽く火傷を負っている。
 髪の毛も先端が焦げており、体を覆う軽鎧相当のアーマーも、僅かにだが光が鈍い部分があり、そこが黒く焼き付いているらしい。

 後ろにへたり込むテイルレッド等を見やった後、グラトニーはウージの方を向いた。


 不意打ちに対処しきれず少し掠ったか、彼のガーネットの仮面は欠けている。


「……T? ir diena(次から), kad n?k ar? no(次へとよく) blakus n?kamo(来る日だ)
「来るの当たり前……守りたいから」


 テイルレッド達にはその言葉の意味がさっぱりだったが、同種であるグラトニーには伝わったらしく、ウージの好意的とは言い難い言葉に、同じく敵意を持った言葉で返している。

 それでもウージの方はまだ余裕があり、グラトニーはもうは彼女等が普段目にする時よりも、一層濃い闘気を湛えていた。

 グラトニーの腕と脚の吸気口が開いて、紫色の粒子を撒きながら空気を取り込み始め、ウージの腕も一旦本来の細い腕を出してから、徐々に徐々にガーネットの炎が燃え上がってくる。


 ゆっくりとお互いに距離を測るよう歩き……戦いは唐突に始まった。


「やっ!」
「……!」


 “紫色” の風纏う弾丸を “柘榴石” の大槌が迎撃し、爆風と熱風が辺りに吹き荒れる。

 辛うじて立っていた木々は根こそぎ吹き飛ばされ、大部分が燃え残っている建物も駄目押しとばかりに再炎上。

 暴意の嵐が吹き荒れるその中心地で、二人は接近戦にてぶつかり合っていた。


「……ッ!」
「う、ぐっ!」


 グラトニーは上段からの炎椀を一瞬だけガッチリと受け止め、右手側に受け流すと加速させた左拳で反撃。

 それはウージの肘から現れた『二本目の右腕』で防がれるも、彼女は左腕全体から爆風を噴出させて隙を作り、相手から見れば低いにも程があるローキックをかます。

 対して、ウージは普通に跳びあがって蹴りを躱すと、『二本目の右腕と左腕』を地面に伸ばして、即座に着地し『一本目』の両手で作ったアームハンマーを叩きつけて来る。
 まともに食らってなるモノかと、グラトニーは空気の噴出を活かし、前方へと跳んで
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