prologue:『英霊』
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甲冑が宝具のサーヴァントか何かだろうか。
サーヴァントはゆっくりと眼を開き、立ち上がる。
視線を功へと向けると、一言、問うた。
「サーヴァントアーチャー、召喚に応じ参上しました。
──問おう、オマエが私の召喚者ですか?」
「──え?」
「……ふむ。その腕の令呪、間違いないようですね、召喚者。先程言った通り、クラスはアーチャー、まあそこそこ強いのでご安心を」
「あ、ああ──」
「魔力は十分、腕前は未熟、これは珍しいタイプですね。まあどちらにしろ引っ込んでて貰う事に変わりありませんが」
「え?ちょっ??」
「黙ってて下さい召喚者。正直耳障りですので。貴方は生きているだけで十分ですので、下手に戦おうなど考えないように。
部屋の隅でガタガタ震えながら、精々願いでも考えておいて下さい」
──圧倒された。
いや別に何か迫力とかそんな威厳あるものではなく、畳み掛けるような言葉の弾幕に圧倒された。
だが、まぁ流石にマスターが戦わないという訳にはいかない。その為の『訓練』も既に終えている。
ある程度の戦闘は想定済みだし、流石にサーヴァントといえど、サポート無しでは辛いだろう。
「アーチャー。僕は──ッ!?」
流石に驚愕した。
目の前に突き付けられていたのは、漆黒の銃身。
周りを見渡せば、あらゆる方位から銃が向けられている。
流石にこれには黙る他無い。
「黙れ、と言ったのです召喚者。貴方に戦ってもらうメリットなど欠片も無いどころか、デメリットだらけだと言っているのです。まさかそれすら分からないほど愚か者なのですか?」
「……!」
「そのまま黙っていなさい。サーヴァントと魔術師は違う。サーヴァントの戦いに、魔術師が入ってくるものではありませんよ」
アーチャーはそう言い残し、無数の銃を非実体化させると、自身もまた霊体となって消えた。
──ズガァァァァァンッ!
そんな衝撃音が、功の潜む廃倉庫の外から聞こえたのは、本当にすぐの事だった。
──生存マスター、残り7人。
──生存サーヴァント、残り7体。
令呪総合数、残り20画。
功の令呪数、残り3画。
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