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M?R - メルヘヴン - 竜殺しの騎士
001話
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?」

立ち上がりながら周囲を見回すが草原の美しい景色しか広がっていない、それはそれで美しいが現状の把握は全く出来ない。じっとしていても致し方ないと歩き出そうとするが背後で大きな音がする、振り向くとそこにあったのは自分の鎧とはまた違ったフルプルートの鎧だった。自らの足で立ち、此方に体を傾けている。

「何だ、あれは……?」

それは、唐突に走り出し腕を突き出してきた。明らかに此方に敵意を持った行動、思わず地面を蹴りながら後方にバク宙をしてしまった。

「おおおっ!?」

自らの身体能力の高さに驚きつつ迫ってきた鎧に腕を振るった、反射的に振るった腕は鎧の頭部を捉え常人では有り得ない力で吹き飛び地面に痕を付けながら動きをとめた。男はその力に唖然としながら自分の手を見た。

「………そ、そうか。ランクEといっても常人以上にパワーあるんだよな……」

FateにおけるランクではA・B・C・D・Eの5段階評価でありEとは最低の値を示す、だが1を基準値とするとEが10で1段階上昇するごとに10上昇する為、Eでも一般人を遥かに超える力を持っている事になる。その力を実感しながらも頭上でする拍手の音に耳を澄ます。視線を上げるとそこにいたのは、箒に乗った美女だった。

「想像以上にやるわね、貴方」
「……美女?」
「あらぁんそんな素直な感想述べないでよ、照れちゃうじゃない」

照れる様子など一切見せずに徐々に降下してくる美女、箒から地面に足を降ろし男の前に立つ。

「ドロシーよ、貴方は?」
「……」

さてどうして答えるべきか、転生した時点の生前の名など当に忘れてしまっている。ここはなんと答えるべきかと考えるが決まっている、名など一つしかない。

「ジーク、ジークフリードだ」



「ふぅ〜ん、記憶喪失ね〜。随分大変な目に合ってるのね」
「まあな、今は記憶を探す自分探しの旅っという所だ」

ドロシーと名乗る美女は草原の真ん中で眠っていた自分に興味を示し、その力を見極める為に先程の鎧を向けてきたらしい。先程の鎧はARMと呼ばれる魔法で特別な彫金を施した、特殊能力を持つアクセサリーで発動させるだけであれば誰にでもできるが、より完璧に使いこなすには"魔力"と"第六感(シックスセンス)"が必要とされる。

「………ねえジーク、私と一緒に来てみない?この先に超珍しいARMが眠ってらしいのよ!」
「珍しいARMか、良いだろう付き合おうとしよう。俺は君の盾にでもなれば良いのかな」
「そういう事♪」
「少しは隠しては如何だ、まあ付き合うが」

彼女が明らかに自分の利用しようとしているのは明白だが、今の自分に行く宛ても目的も無い今言うとおりにするしかない。自分の成長の為にも。

「ねえジーク、その剣ってARM
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