マブラヴ
1091話
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「無限に広がる大宇宙……ってのはよく聞くけど、こうして見るとそれ程広いって訳でもないよな」
地球から宇宙にシステムXNで転移したシロガネのブリッジの中で、ふと呟く。
実際、俺達にしてみれば宇宙というのはフォールドシステムやシステムXNもあるおかげで、言われる程に広いとは感じない。
勿論実際には俺達が移動出来る場所なんてそれ程多くないから、広すぎるというのは分かっているが、それでも感想としてはそう思ってしまう。
「何を黄昏れてるんだよ。らしくないぞ」
同じくブリッジにいたムウの声に、他の幹部達が同様だと頷く。
あ、アウル達の新人組も頷いているな。
「いいだろ、たまには俺がこんな事を言っても。……ま、似合わないってのは分かってるよ。それより占拠されている宇宙船の様子はどうなっている?」
チラリとシロガネのブリッジクルーをやっている円と美砂に尋ねると、小さく首を横に振られる。
この2人もシロガネの操作に大分慣れてきたよな。
「今のところ動きはないわ。……ねぇ、アクセル君。もしかして宇宙船を占拠した人達って、別にどこかに宇宙船で逃げるとかじゃなくて、単純に宇宙船の中に立て籠もりたかっただけなんじゃないの?」
「立て籠もってどうする? それこそ今は宇宙船を取り戻したいというビルからの要望があるから手を出してないだけで、その気になればシロガネの主砲でもあるグラビティ・バスターどころか、ホーミングミサイルでも使えば破壊出来るんだぞ?」
映像モニタに映し出されている光景を見ながら、円に言葉を返す。
ちなみに、こっちからは宇宙船の姿を捉えられているが、向こうからはシロガネを確認する事は出来ていないだろう。
何しろ、艦自体の性能も違いすぎるし、シロガネは現在ASRSを使用しているしな。
それこそ、すぐ隣まで移動しても恐らく気が付かれる事はない筈だ。
「でも、じゃあ何でずっとあそこの宙域に留まったままなの? どこか行きたい場所があるのなら、普通はさっさと逃げ出すんじゃない? それこそ、バーナード星系とかに」
「火星とかに向かったら、褒めて上げるんだけどね」
美砂の言葉に全員が思わず苦笑を浮かべた。
火星には現在マーズゼロと呼ばれている巨大なハイヴが確認されている。
月へとBETAを向かわせたのも、火星からだと思われている。
つまり、この地球圏の中ではBETAの本拠地といってもいい存在な訳だ。
それこそ、オリジナルハイヴだなんだと言っているのが馬鹿らしくなるくらいに。
「俺達ならともかく、奴等では自殺しに行くだけにしか思えんがな」
馬鹿馬鹿しいとばかりに呟くイザークに、皆が頷く。
そうなんだよな、G元素を入手するのなら、フェイズの大きいハイヴがある月や火
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