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ランス 〜another story〜
第3章 リーザス陥落
第48話 ヘルマンvsカスタム 最終戦開幕
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〜カスタムの町 周辺・荒野〜


 ヘルマン兵達は、カスタムの前の荒野を突き進む。町の姿はまだ小さい。だが、確実に進んできている。ほんの数分、十数分でたどり着けるだろう。

「よし、隊列、陣形は《鋒矢》で行くぞ。弓兵は後列に配置しろ」
『はっ!』

 スプルアンスの言葉に皆返事はするが……、ヘルマン軍の兵士達は皆そこまで気合が入っていなかった。事前情報で、カスタムの頭脳であるマリア・カスタードが捕まっている事実もそれを拍車をかけているのだろう。

「ふん。まぁ、気持ちは判らんでもないがな。とっとと済ませて、町の女どもを……ぐふふ」

 スプルアンスもニヤけていた。
 上司であるヘンダーソンは、恐らく今頃は、あのマリア・カスケードとお楽しみ中だろう。それを思うと、俄然に自分もと思う。違う意味でやる気が出てくると言うものだろう。

 そして、何より彼はこれまでこんな最前線に来る事など殆ど無かったが、今回は喜々として参加している。……勿論権限を盛大に使ってだった。

「お前ら! 今日こそは、カスタムを堕とす! 女は生捕り、男どもは皆殺しだ!! 我らに逆った見せしめにしてやるのだ!」
『うおお!!!』

 毛嫌いしている相手の掛け声でも、盛大に鬨を上げるヘルマン軍の面々。それは悲しきかな、男の性と言う事だろう。ただ……連中は知らない。そのカスタムの門を潜るために、カスタムの中へ入る為に。
 
 最大にして最悪の関門が待っていると言う事を。相手も過去4度の進撃の中でも嘗てない程、気合が入っていると言う事を。

「へっ……、リーザス軍の連中は可哀想だよなぁ、こ〜んな楽しみも判らずただただ、俺らの為だけに戦い続ける事しかできねえんだから」

弓兵である最後尾にいたティターヌは その更に後ろに控えているリーザス兵達を見て薄ら笑みを浮かべていた。

 その背後に並んでいるのは虚ろな表情をした兵士達、いろんな色の鎧を纏っており、一貫性が無い。

 そう、彼が言うようにその兵士達は、リーザスの洗脳兵。青、白、赤、黒と様々な色をしている理由は、統一されていないのではなく、各部隊からてきとうに合わせたからなのだ。

 ただ、命令通りに動く兵。駒である彼らだから 別にそこまでしっかりと統一する必要はないのだ。

「ははっ、これが かの有名なリーザスの総大将。一軍のレリューコフ様の好敵手とまで言われている男とはね。はは、哀れだなぁ」

 虚ろのままに、リーザス全軍の最前列に配備している隻眼の男。
 この男こそ、リーザス軍総大将にして、黒の軍の将軍である。洗脳されてはいるが、本能からなのだろうか、最前列にまで、進んで出てきていたのだ。それが、リーザスの為にならない行為なのは、憐れで仕方ないとも言えるだろう。軍
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