36.支援物資解禁の時
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その日、ヘスティア・ファミリアと共にギルドに現れた四つの人影のうちの一人を見て、エイナは一瞬悲しそうな顔をした。ベルとリングアベルの説明も、ティズの話も聞かず、エイナは黙って4人をギルドの一室に案内した。
ティズだけはどこに向かっているのかを知っている。
そもそも一度ギルドに寄ったのは、支給品の装備を受け取る為だった。
ただ、ティズにはそれ津は別に受け取るべきものをエイナに預けていたのだ。
但しそれを受け取るという事は、エイナの戦ってほしくないという忠告を裏切ることでもあった。
「ごめんなさい、エイナさん。でも僕は……」
「謝らないで、ティズ君。なんとなくだけど……そうじゃないかなぁって思ってたから。ベル君もリングアベル君も、そして今までも……男の人は特にそう。危険だって言ってるのに人の話を聞かないんだから、背中を押すしかないでしょ?」
「……ギルドに預けていたノイエ・ノルエンデからの贈り物……使わせていただきます」
「変なの。元々あれはティズ君のものなのにね」
エイナはティズが冒険者としてダンジョンに赴くのは反対だった。
だが、同時に彼が一度決めたことを投げ出すほど芯の通らない子でもないと、気付いていた。
だから、敢えて何も言わない。もしも言うとしたら、彼らがダンジョンに潜る時に「生きて帰ってね」とか「冒険者は冒険しちゃ駄目なんだよ」といったありふれた言葉だろう。エイナに出来るのは、それくらいだった。
「今のやり取りだけを聞くと妙にドラマチックで悲しい瞬間に聞こえるな………天然タラシめ」
「戦いに赴く男を悲しみながら見送る女性……なんか悲壮なシーンに見えなくもないですけど、ダンジョン1階層で経験者二人がいるんなら、そんなに怪我はしないと思いますよ?」
「そんな心構えで大丈夫なのでしょうか?……もっと緊張感を持った方がよいのでは……」
「まぁ普通はそうなんだけど、ねぇ……?」
冒険に対して心構えがお気楽すぎる二人の能天気な所が、アニエスにとってはちょっと不安である。エイナもその辺は承知済みなのだが、ことリングアベルについては緊張感を求める方が難しい。注意されても聞いていないくせに、本番ではもう集中できている一番面倒くさいタイプなのだ。
「色々と信用できないかもしれないけど、リングアベル君もベル君もレベル1の冒険者の中では強い方なんだよ?これに、やる時はやる人たちなの。もし同行するのが二人じゃなかったら、流石に私もちょっと考えたかな」
「と、とてもそうは見えませんが………特にリングアベルは」
リングアベルの評価が果てしない大穴に落ちていく中、4人は部屋に辿り着いた。
= =
「はい、これ!ノイエ・ノルエンデから届いたブリガンダイン!ギルド支
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