2期/ヨハン編
K22 黄金のガングニール
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の決裂か、それとも無垢だった日に交わした他愛ない言葉か。
想う間にも立花響は歌い、空を蹴りながら、確実に小日向未来へと迫りつつあった。
(がんばれ)
不意にヨハンの中にその言葉は浮かんだ。
(頑張れ、ミス・ガングニール)
敵なのに。敵対すると自ら告げたのに。気づけばヨハンは彼女を応援していたのだ。自分でも信じられない。
ただ、ひたむきに親友を目指す彼女が傷つけられる姿に、どうしても、負けないでくれと、辿り着いてくれと想ってしまった。
調は胸に当てていた両手をいつの間にか祈りの形に組んでいた。立花響と小日向未来の戦いを見守る目は真剣そのもの。
ヨハンは気づいた。今は調も同じ気持ちなのだと。
彼らの祈りが届いたかは知らない。だが、立花響はついに小日向未来へ辿り着いた。
立花響はミラーデバイスを砕き、親友を抱いて宙を翔けて行く。
上空ではいつのまにかシャトルマーカーが大量に射出され、神獣鏡の光線を反射させていた。
「『絶対に…絶対に』ぃぃィィイイイイイイッ!!!!」
立花響は小日向未来と絡み合ったまま、最後のシャトルマーカーの下へと向かっている。
「そいつが聖遺物を無効化するっていうなら……そんなの脱いじゃえ! 未来ゥゥウウウッ!」
ついに光線が放たれた。
シャトルマーカーが編み上げた巨大な光条は暴力的なまでに眩い。
ヨハンはとっさに調を抱き込んで衝撃から守った。
同時に金と紫の少女たちは、歪んだ鏡を砕く光へと消えていった――
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