暁 〜小説投稿サイト〜
K's−戦姫に添う3人の戦士−
2期/ヨハン編
K22 黄金のガングニール
[2/2]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
の決裂か、それとも無垢だった日に交わした他愛ない言葉か。

 想う間にも立花響は歌い、空を蹴りながら、確実に小日向未来へと迫りつつあった。

(がんばれ)

 不意にヨハンの中にその言葉は浮かんだ。

(頑張れ、ミス・ガングニール)

 敵なのに。敵対すると自ら告げたのに。気づけばヨハンは彼女を応援していたのだ。自分でも信じられない。
 ただ、ひたむきに親友を目指す彼女が傷つけられる姿に、どうしても、負けないでくれと、辿り着いてくれと想ってしまった。

 調は胸に当てていた両手をいつの間にか祈りの形に組んでいた。立花響と小日向未来の戦いを見守る目は真剣そのもの。

 ヨハンは気づいた。今は調も同じ気持ちなのだと。


 彼らの祈りが届いたかは知らない。だが、立花響はついに小日向未来へ辿り着いた。

 立花響はミラーデバイスを砕き、親友を抱いて宙を翔けて行く。
 上空ではいつのまにかシャトルマーカーが大量に射出され、神獣鏡(シェンショウジン)の光線を反射させていた。


「『絶対に…絶対に』ぃぃィィイイイイイイッ!!!!」


 立花響は小日向未来と絡み合ったまま、最後のシャトルマーカーの下へと向かっている。


「そいつが聖遺物を無効化するっていうなら……そんなの脱いじゃえ! 未来ゥゥウウウッ!」


 ついに光線が放たれた。
 シャトルマーカーが編み上げた巨大な光条は暴力的なまでに眩い。

 ヨハンはとっさに調を抱き込んで衝撃から守った。

 同時に金と紫の少女たちは、歪んだ鏡を砕く光へと消えていった――
[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ