暁 〜小説投稿サイト〜
K's−戦姫に添う3人の戦士−
2期/ヨハン編
K21 ずれゆくトライアングル
[2/2]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
、援軍は援軍でも、よりによって初戦でヨハンに黒星を付けてくれたエージェントにしてニンジャ、緒川慎次だった。

 緒川が最初に羽交い絞めにして拘束したのは、調だった。

「人命救助は僕たちに任せてッ! それよりも翼さんは未来さんの捕捉をッ!」

 調に触れている。調を捕えている。調を締め上げている。


 ――よくも。


 ヨハンは駆けた。Anti_LiNKERのフラッシュバックをこの時だけ忘れた。

『 Cerena tear…! Claiomh-Solais…troooooon !!!!』

 夜色のバリアフィールドが開き、爆ぜる。すでにギアは装着済みだ。
 ヨハンはバスタードソードで宙を袈裟切りにし、刀身の模様から炎弾を放った。ターゲットは調を拘束する緒川の、顔面。

「く…っ!」
「緒川さん!」

 緒川はとっさに調を離して回避する。それこそが狙い。

 解放された調の下へ、ヨハンは全力で駆け、彼女を片腕に抱いて緒川へバスタードソードを向けた。


「僕の調に触るな」


 ほんのわずか、睨み合った。

 ヨハンはバスタードソードを装甲へ戻し、調を抱え上げて走り出した。目指すは艦内へのハッチ。

「きりちゃんも…!」

 だが、切歌は首を横に振った。自分は行かない、と。ひどく哀しげな表情で。

 小日向未来の“流星”で蓋が融けた穴に、ヨハンは調だけを抱えて飛び込んだ。






(調のピンチでは無理くりギア纏えて、あたしの時は薬に逆らえなかった。つまりそういうことデスよね、ヨハン――)

 切歌は毅然と顔を上げ、別の艦に移動した風鳴翼を追うべくバーニアを噴かした。

(あたしが消えて無くなる前に、調たちの中にあたしが遺るように――!)
[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ