2期/ヨハン編
K14 老研究者の挫折とこれまでの話
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
心に気づいてくれる人がいる。それが当時のヨハンをどれだけ安心させたか。
以来、ヨハンは調と切歌と常に共に行動するようになった。
その後、ヨハンの知らないところで、マリアの妹セレナがギアの一つを起動させた。
その成功を受けてナスターシャがセレナのギアの一部を分離・再構築して造ったギアが、何とヨハンに適合した。
「望まなかった力に目覚めてしまった僕とセレナを、マリアはいつも励ましてくれたね。僕までマリアの弟になった気分だった」
「見てられなかったんだもの。あの頃のヨハンってばウジウジしてて、何かあったら『調と切歌のとこに帰りたい』って、そればっかり」
「ごめんごめん」
「――でも昔のほうが分かりやすかった。今のあなたは笑ってばかりで、何を考えてるのか、時々分からなくなる」
「装者の中で僕だけ男なんだ、少しは頼もしいと思われたい。ただの虚勢だ」
「ほら、また笑う」
ごめん、とまた言いそうになって、とっさに飲み込んだ。
一人でも揺るがず立っていられる人間がいなければ、この組織はあっというまに瓦解すると、理解していたから。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ