ステージ4 前編 後ろでは
[1/3]
[8]前話 [1]次 最後
我らの暮らす星は!この唯一無二の星は!非常に青かった!
「うわぁーーっ!」
二ノ風 舞菜は、眼前に広がる光景に、目を輝かせた。
「本当に青いんだねー!」
「やっぱり実物見ると違うねぇ」
今、舞菜達は、宇宙船の中にいる。
「……新たなる敵、か」
峰山堂 金剛はボソリと呟いた。
「楽しみだね」
メイチア・エルターナが振り返って応えるが、金剛は何も言わなかった。
舞菜達3人は、宇宙英雄を決める戦いの代表として選ばれたのだ。
舞菜とメイチアは地球最強決定戦での戦いぶりが、金剛は日頃の圧倒的な戦績が、それぞれ評価されてもことだ。ちなみにリワンゾウ・ハットは宗教上の理由で選定されなかった。仏教が苦手な星も少なくないのだ。
次の決戦の舞台は、アイドルの原石アイドリウムが無数に眠ると言われているォム星。そこまでの宇宙船や宇宙食等、諸々の代金は全て運営側から支給される。そんな破格の支給に、大至急舞菜達はォム星への旅路を行くのだった。
「……なーんか、」
どんどん小さくなっていく地球を見ながら、舞菜はポツリと呟いた。
「ん?」
「金剛君、元気無い気がする」
「そういえば、舞菜ちゃんはあの人のこと知ってるんだよね?」
「うん」
舞菜は頷いた。
「1回アイドれば、みんな兄弟だからね!」
「へぇ……どんなタイプなの?」
「タイプ?ライター?」
「そうじゃなくて……うーん、」
メイチアは頭に人差し指をあてた。
「例えば……、四角いとか太いとか鈍いとかつるつるとか説明が簡単とか」
「うーん、なんかこう、凄みがある感じ」
「凄み?」
「うん。なんていうか、凄い、凄いアイドルぅーーーっって感じ」
「成る程ぉ!」
舞菜とメイチアが2人で盛り上がっている間、金剛はぼぉっと宇宙を眺めていた。
(二ノ風 舞菜が言っていた、凄い、凄いアイドルとは何だ……?)
金剛はそれを考えようとするが、答えは出なかった。
(クソッ!俺はまだ、あいつらには届かないのか……っ!)
金剛が意識せずとも支配していた空気を打ち砕き金剛を下してみせた舞菜、更にそれを上回るアイドル能力を持つメイチア。金剛は、2人との間に明確な差を感じていた。
「あ、あれォム星じゃない?」
「そうかも!」
金剛もメイチアが指差す方向を見ると、桃色の球体が浮かんでいた。
(あとどれ位で着くんだ?)
金剛がスピードメーターに目を向けようとした時、
「あと10分で着きそうね」
メイチアがスピードメーターを見ながら言った。
「おー、じゃあカップラーメンが4つ作れるね」
「まぁ。それまだ半分にもなってないじゃない」
「ん?」
「あれ、カップラーメンは基本7分な
[8]前話 [1]次 最後
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ