暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epico33明かされる真実〜State of Emergency〜
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火柱。宙を舞う火の粉のカーテンの奥、そこには氷漬けやなのは達のバインドから解放されたシュヴァリエル、そしてローブ兵の姿があった。

「仕掛けます! ヴァダー!」

――ヴァダヴァロート――

ベッキーがそう指示を出すと「キュオーン」ヴァダーがそう一鳴き。すると膨大な量の水の渦が発生。よほど余裕なのかシュヴァリエルとローブ兵は回避も防御もしようとせず、そのまま渦に呑まれた。
その様子を確認したベッキーがすぐさま「すずかさん、お願いします!」指示を出すと、「了解! リフリジレイト・エア!」すずかが冷気の竜巻を発生させて、シュヴァリエルとローブ兵を呑み込んだ渦を瞬間冷凍。2人はまた氷漬けになった。

「このまま出来るだけ時間を稼ぎましょう。私の精霊、ドラウプニルを得た皆さんだけではシュヴァリエルともう1人のリンドヴルムを討つのはまず無理だと思います」

ベッキーに私たちは同意見だって頷き返した。シャルとルシル、ルミナ達もすぐに来てくれる。だからそれまでの時間を稼げればいい。みんなが揃えば、私たちはローブ兵を相手にして、ルシルはシュヴァリエルとの1対1の決闘。そして可能な限り私たちはルシル達と距離を取る。これが特戦班の基本的な戦略だ。

「お前たちだけで時間を稼ぐ、か。そいつは無理だな」

そんな声と一緒にシュヴァリエルとローブ兵を閉じ込めていた氷塊が勢いよく砕け散った。コキコキ首を鳴らすシュヴァリエルが「あ〜、確かにすげぇな、神属の術は。だがな。同じ手は二度も食わねぇよ」そう言って、ローブ兵に顎で合図した。するとローブ兵は力なく上半身を仰け反らせた。

「「「「「「っ!!?」」」」」」

『ひゃう!? な、なな、なんですか、あの顔!?』

「人間、じゃない・・・!?」

仰け反った際に見えたフードの中に隠れていたローブ兵の素顔。人の肌をしていなかった。血の気のない薄紫色の肌で、眼球は真っ黒、虹彩だけが真っ赤。なんて言うかゾンビっていう表現が一番しっくりくる。

「まぁ、厳密に言えば人間じゃねぇな。だが・・・現代の人間以上のスペックを有しているんだぜ? コイツの持ってる神器、普通の人間じゃあ開くことも読むことも、使うことも出来ないもんだからな。そうだよな、相棒?」

シュヴァリエルの話に出て来た、「相棒?」が引っ掛かった。思わず口から出た私の声にシュヴァリエルが反応。

「俺がリーダーを務める第0小隊ドラゴンハート。そのサブリーダーがコイツ、ハート2だ」

ハート2っていうコードネームに「っ!」私たちは息を呑んだ。そして想像以上に現状が最悪なものなんだと理解した。ハート2。ベッキーの五精霊の次に強いフィレス二尉+神器、“ドラウプニル”を装備したシグナム、魔術師化していたセレス、その3人を戦闘不能にした・・
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