暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epico33明かされる真実〜State of Emergency〜
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†††Sideフェイト†††
最悪すぎる状況が目の前にあった。みんなでベルカ料理に舌鼓を打ちながら楽しくお喋りしていたのに、私たちの目の前にあの人が現れた。私たちの誰よりも強いルシルを瀕死にまで追い込めるほどの戦闘能力を有したあの人が。
「あ・・・ぅ・・あ・・・シュ・・・シュヴァリエル・・・です・・・!」
リインがその名前を呼んだ。ロストロギア蒐集家リンドヴルムの誇る、蒐集実行部隊の全隊リーダー、シュヴァリエル。魔術と呼ばれる超古代の魔法体系と、神器っていう神様や悪魔、魔術師が特別な製法で造った武器を武装している。神器の脅威は身に染みてる。でもだからと言って・・・
「よぉ。お嬢さん達。遊びに来たぜ」
シュヴァリエルの好きにはさせない。ジョンに腕を伸ばすシュヴァリエルの顔面に向かって、「この・・・!」ベルカのスープ料理の一種だっていうアイントプフの器を投げつける。あっつあつのスープだから「う熱っ!?」あのシュヴァリエルでさえも怯んだ。
「すずか! ジョンを連れて逃げて!」
“バルディッシュ”を起動してバリアジャケットに変身した私は、「ルシル、信じるよ!」変身時に一緒に装備されるように設定していた神器の腕輪・“ドラウプニル”をチラッと見る。左手首にはめてある黄金に光り輝く腕輪。現代の、神秘の無い私たち魔導師の魔法を魔術に変換できるって聴いた。
――ハーケンスラッシュ――
魔力斬撃をシュヴァリエルの首へと向けて繰り出す。魔術に非殺傷設定なんて機能はない。けど、それで構わない。シュヴァリエルは・・・人間じゃないんだから。私の一撃がシュヴァリエルの首に直撃した。
「ドラウプニルか! 良い神器を渡されたもんだな、おい!」
ガキィンと響く衝突音。刃が通らなかった。ルシルから聴いていた通りちゃんとは効いてないみたいだけど、魔力刃が砕かれないのは確か。イケる。これなら一方的な戦闘にならない。ツンツン髪に乗ったスープの食材(ジャガイモやニンジン、レンズ豆とか)を振り落としながら私を睨みつけるシュヴァリエルは、「良い一撃だったが、それじゃあ俺の装甲は破れないぜ!」そう口端をつり上げて笑って、ジョンの手を引いて距離を取るすずかから私にターゲットを移した。
「おーら、もう1発受け取りやがれッ!」
――テートリヒ・シュラーク――
赤い騎士服に鉄槌を携えるヴィータが問答無用でシュヴァリエルの鼻っ面に強力な一撃を打ち込んだ。普通なら鼻の骨どころか頭蓋骨も粉砕するような一撃だけど、ガキィン!と甲高い音と一緒に「痛ってぇなぁ・・・!」シュヴァリエルを僅かに怯ませるほどの効果しかなかった。
「フェイトちゃん、ヴィータちゃん!」
――レストリクトロック――
なのはの声に合わせてその場から即離脱した
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