マブラヴ
1090話
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回の件でG元素とG弾の現物や資料は既に受け取る事になっている以上、次に何をアメリカから引きずり出すのやら。
その辺がちょっと可哀相になるが、だからといってただ働きをする訳にもいかない。
そんな真似をすれば、我も我もとこっちに要請してくる国が多くなり、にっちもさっちもいかなくなる。
特に某大東亜連合の某国なんかは、調子に乗って何を要求してくる事やら。
絶対に面倒な事になるのは一目瞭然。
傭兵的な存在である俺達シャドウミラーとしては、そんな風になるのは絶対に避けたい。
「ま、そういう訳だ。来てから殆ど経ってないけど、ホワイトスターに戻らせて貰うよ」
「ええ、分かっているわ。くれぐれも気をつけて行動しなさい」
「へぇ。心配してくれるのか?」
「ふんっ、あんたに死なれると色々と張り合いがなくなるからよ。それに、レモンも悲しむし」
「そこは出来れば夕呼が悲しいと言って欲しかったな」
「あのね、唇を許したくらいでいい気にならないの。……ま、でもそうね。アクセルが死んだら色々と寂しくなるのは事実なんだし、生きて帰ってきなさいよ」
夕呼がデレた!?
思わず叫びたくなった言葉を我慢して、別の事を口にする。
「ま、この世界で俺が死ぬなんて事はまず有り得ないから、心配するな。気楽に待っててくれれば、それでいい」
「じゃあさっさと戻ってきなさい」
「……アクセルさん……」
ぎゅっと服の裾を掴んで上目遣いでこっちを見てくる霞。
その頭に――うさ耳にぶつからないように――軽く手を乗せ、撫でてやる。
「夕呼にも言っただろ。心配するな。俺はこの世界でどうにかなるような柔な身体をしている訳じゃない」
「……頑張って下さい」
それだけ言って手を離す。
夕呼がイリーナを呼び出し、俺はそのまま基地の外に出る。
幾ら俺が有名人であっても、この基地で好き勝手に動ける訳じゃないんだから、これは当然だろう。
「では、私はこの辺で失礼します」
「ああ、助かった」
短く言葉を交わし、そのまま去って行くイリーナを見送り、空間倉庫からニーズヘッグを取り出す。
相変わらずいきなり姿を現したニーズヘッグに、周囲にいた軍人達が驚く。
……この基地には結構来てるんだし、そろそろ慣れてもいいと思うんだけどな。
まぁ、この基地は秘密裏にとはいえオルタネイティヴ4の本拠地である以上、何だかんだと理由を付けて人数は多い。
だからこそ、初めてニーズヘッグを見るような奴もいるんだろうな。
フワリ、と空中に浮き上がり……そこでまた周囲から聞こえてくるざわめきを無視しながらコックピットへと入り、認証を済ませて機体を起動。
「システムXN、起動。転移座標入力……転移フォールド生成開始……転移」
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