2部分:第二章
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第二章
「まさか神父まではその様なことはされまい。安心せよ」
「はあ」
村人達は恐怖と不安に脅えながら神父様がはじめられた行事に加わるのでした。暫くは何事もなく平穏に行われましたがやがて。教会の外からとんでもない怒鳴り声が聞こえてきました。
「開けよ!」
「あの声は!」
「来た!」
皆すぐにわかりました。お殿様の声でした。
「開けぬとその扉を斧で叩き壊すぞ!」
「し、神父様!」
「来ました!」
村人達は行事に加わるのもよそに慌てて神父様に言います。皆席を立って神父様と十字架にかけられている主にすがらんばかりです。
「大丈夫ですよね、本当に」
「大丈夫、例え何があっても」
「もう許さん!」
またお殿様の声が聞こえてきました。
「この扉なぞ不要だ!むん!」
「なっ、まさか!」
「教会の扉を!?」
「わしの邪魔をする扉なぞ不要!」
またとんでもないことを言っています。ですがもっととんでもなかったのはお殿様の今の行動でした。何と本当に斧で教会の扉を叩き割ったのです。ついでに金鎚まで振り回して扉を粉々してしまって。そのうえで教会の中に乗り込むのでした。手には大きな斧と金鎚があってそれを両方共肩に担いでいます。黒くてとても濃い髭と一緒に物凄い迫力を出しています。
「誰が行事を行ってよいと言った!」
皆の恐れていた通りでした。やっぱりお殿様はこのことを聞いてきました。
「わしが来るまではじめてはならぬ筈。違うか」
「そ、それはその」
「つまりですね」
「ふん、どのみち御主等ではないのはわかっておる」
脅えてガタガタと震えているだけの村人達は少し見ただけでした。その目は神父様に向けられています。剣呑な目をじっと。そうして向けてきています。
「神父よ、御主だな」
「如何にも」
神父様は逃げませんでした。堂々とお殿様に答えます。
「その通りでございます」
「命は惜しくないのだな」
その恐ろしい目を向けながら神父様にまた問います。
「わしに逆らって。どうなるか」
「何か為されたいのならば為されるがいいでしょう」
しかし神父様はもう覚悟を決めていました。今更お殿様に言われても脅えたりはしません。それどころか脅されて余計に奮い立つ程でした。
「ですが若し何かされればその時は」
「その時は。何じゃ」
「神の天罰がお殿様を襲われることでしょう」
「面白い、天罰か」
お殿様はこう言われても平気です。天罰と聞いても笑うだけでした。その口を大きく開いて。人の頭が入ろうかという位大きな口になっています。
「ならば今すぐ見たいものだ。その天罰とやらを」
「そのおつもりなら好きなようにされて下さい」
覚悟を決めている神父様はなおも言います。
「貴方のお好きなように」
「ふん、言わ
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