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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
第百二一幕「エンドレス問答」
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問わなければならない。

 どうして本当の事を隠していたのか――と、問い質さねばならない。

「ああ、憂鬱だったらありゃしない………テレビでも見ようかしら?確かそろそろセシリアが宇宙に旅立つ頃よね!」

 ここ数年の技術革新の賜物か、最近は飛行機内のテレビで最新のニュースを見ることも可能になっている。代表候補生らしくファーストクラスで悠々としている鈴は、テレビの電源を入れた。

『――ご覧ください!最年少宇宙飛行士となったセシリア・オルコット氏の乗った宇宙船の発射まであと3分を切りました!オルコットさんはIS操縦者としてあの日本の期待の新星『佐藤さん』を撃墜した凄腕のIS操縦者として知られています!――』
「あっるぇー!?一緒に戦った筈の一夏の存在がスルーされてる!?」

 どうやら世間の目は男性IS操縦者から『SATOU』に移りつつあるらしい事実に戦慄する鈴だった。

 なお、この放送を見た佐藤さん本人が同じリアクションをしたのは言わずもがな、その他のメンバー及び武者修行の旅に出たユウでさえその放送に吹き出したという。ちなみに一夏本人は自分の存在がカットされたにも拘らず「同級生の名前がテレビ放送されてるって不思議な気分だなー」などとズレたことを抜かしていた、と後に千冬が証言する。



 = =



 同刻、某所のカラオケBOXの中。
 歌もそっちのけにスマホに釘付けになる女子中高生の集団がいた。スマホには世界中で大注目される連合王国の世紀の試み――ISのシステムを組み込んだ世界初の有人宇宙船に、15歳のIS操縦者が乗って宇宙で活動するという内容が放送されている。

 そして、彼女たちにはそのニュースに隠された別の真実と深い関わりがあった。

「ついに『40番台の姉妹』が舞台に立つときが来たか……」
「40番台のロールアウト………か。ISの技術で我々旧世代を越える性能にマッシュアップされた躯体を以ってすれば、第三世代ISの撃破など容易い筈だ」
「連合王国も愚かな判断をしたものだ。宇宙(そら)に夢などという実体のないものを求めなければ良かったものを……」
「妙な探りを入れられるのは面倒だ。地球人は、永遠に地球の重力に囚われていればいい」

 彼女たちは、自らを『アニマスナンバー』と定義する。
 外見は唯の一般人に過ぎず、行動、思考、家庭環境に到るまでの全てを疑似人格プログラムに従って行動することで『どこにでもいる一般人』のように見えるよう擬態した存在。傀儡にして尖兵、雑兵にして精鋭、個にして隊。それが、彼女たちの正体だった。

「捕捉される可能性は?」
「40番台にはフィリピンで破壊されたステルスより更に完璧に近づけた装備が備えられている。加えて宇宙という観測されにくい環境……リスクは0
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