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バカとテストと白銀(ぎん)の姫君

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を守ろうとする妃宮
普段は見られない無邪気な微笑みを浮かべた妃宮が可愛らしく、俺はいつの間にかプリントじゃなくて彼女の顔ばかりを見ていた
俺は他の奴には滅多に、いや絶対見せないような表情が拝めて少し得意げにもなっていた。

 そんな俺をお構いなしに、どんどんとプリントをめくっている妃宮の姿に、身勝手にも俺は少しばかり腹が立ってもいた。俺の存在はただのお邪魔虫かって。
「きゃっ!」
つい力加減をする事も忘れて俺は妃宮を突き飛ばしてしまう、自分がやってしまったことに気がつき、少し唖然とする。
ただ網膜(?)に床に尻餅を付く彼女の白銀の髪が傾ききった陽に灼けて煌めくように輝いているのだけが、ただ投射される。
罪悪感、ってこういう事をいうのだろうか。
こんな事をやってしまって、ただじゃ済むわけがない。
絶対にアウトだ、間違いない。
女性との交流がほとんどなかった俺でもそれぐらいのことは分かる、野球だったら一発でチェンジだろう。
「顔を上げてください、**君」
そんな優しい声が俺に投げかけられる。
「…**君、もう少しは加減を考えてくださいね」
「ごめん、やりすぎた。」
場を悪くしないように、わざと拗ねたような表情をして見せる妃宮に救われたような心地になる、だから率直に俺も謝れた。
「全くです。さぁお座りください、(わたくし)も一緒に考えて差し上げますから」
さあ、と言わんばかりに俺が今まで座っていた席をずらして、座るように促してくる。

 俺が座りなおすと妃宮が俺の肩越しにプリントをのぞき込む。
シャンプーの香りが鼻を(くすぐ)る。
そのことに教室には俺と妃宮で二人っきりだということを強く意識させられる。
「…**君、集中できていないみたいですね?」
「いや……済みません…」
「全く……分かりました。それではこちらの書類が出来上がりましたら…」
「出来上がったら?」
そこで一旦区切りいたずらっ子な表情で俺を見つめる妃宮さんに、俺は胸が高鳴るのを押さえられずにいる。
そんな表情をされるだけでも何でも言うことを聞いて差し上げようと言う気になるのに
「…ふふふ、{お好きなこと}をして差し上げますから、ね?」
「お好きなこと……って…ぇえ!?」
その上に何をしてくれるというのだ!!
お好きなこと…ってもしかして…
「学校の中ですから、その…恥ずかし過ぎることは出来ませんけれど、ね?」
少し頬を朱色に染めながら、恥ずかしげに小さな声で俺に囁きかけてくる妃宮を前に俺は愕然とする。
妃宮ってこんなに萌えの要素があったのかと。
普段はFクラスの代表の片腕としてその天才的な頭脳をフルに使い、参謀としての職務を果たし、その一挙一動の一つ一つが優雅な妃宮
そんな彼女が俺にだけ見せてくれる表情

「それでは、
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