9部分:第九章
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第九章
「今のはね」
「そうですね。跳んだんですよね」
「跳んだんだね。そうか、クワちゃんは跳べるんだ」
温かい声での今のお馬さんの言葉でした。
「跳べるんだね」
「そうですね。僕跳べるんですね」
「じゃあこれからも跳ぶといいよ」
お馬さんの温かい言葉が続きます。
「跳び続けてね。生きればいいよ」
「何かよくわからないけれどわかりました」
やっぱりクワちゃんはクワちゃんでした。素直な言葉を出します。
「それじゃあ」
「さて、じゃあ行こうか」
お馬さんは足を進めだしました。
「お池にね」
「はい、それじゃあ」
こうしてクワちゃんはお馬さんに乗せてもらってお池に戻りました。お池に戻ってきたのは本当にすぐでした。クワちゃんはそのことにびっくりしました。
「もうお池が見えてきましたね」
「ほら、言った通りだろ?」
お馬さんは自分の背中にいるクワちゃんに顔を向けて告げました。
「すぐだっただろう?僕だったら」
「はい、本当に」
「馬はね。これが仕事なんだ」
お馬さんはまたクワちゃんに言うのでした。
「誰かをすぐにその場所に運ぶことがね」
「それがお馬さんのお仕事なんですね」
「そうだよ。それが僕のお仕事なんだ」
お馬さんの言葉は続きます。
「わかってくれたかな」
「はい、わかりました」
今度はよくわかったクワちゃんでした。
「お馬さんのお仕事のこと。よくわかりました」
「わかってくれたらいいよ。それじゃあ」
「今から降りないといけませんね」
「降りられるかな」
お馬さんはこのことが少し不安になりました。
「僕から。降りられる?」
「はい、降りられます」
けれどクワちゃんは明るい声でこうお馬さんに答えました。
「大丈夫ですよ」
「そうだよね。クワちゃんは跳べるからね」
お馬さんはここでこのことを思い出したのでした。
「だから。大丈夫だよね」
「そうですよ。ほら」
ここでクワちゃんは早速跳びました。そうして何なく着地してみせたのでした。
そうして着地してから得意な顔になって。クワちゃんは言うのでした。
「ちゃんとできました」
「よかったよ。あっ」
お馬さんはクワちゃんが無事着地したことに笑顔になっているとここでクワちゃんのお家から。クワちゃんのお父さんにお母さん、それと兄弟達が出て来たのでした。
「皆起きてきたね」
「そうですね」
「そうか。もう朝を伝える時なんだ」
今まさにクワちゃんのお父さんが鳴こうとしています。すぐ近くにいる鶏さん達もです。
「長いようで短かったかな」
「短かったです」
クワちゃんにしてみればそうでした。
「何か」
「そう。短かったんだ」
「ええ。けれど」
それでもクワちゃんは言うことを付け
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