第三十話 平野大尉!コックは衛生第一!!その十六
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そのうえで調理をしていく、観客達はその二人特に瞬を見て言った。
「やっぱり悠木大将出来るな」
「料理も絶品だな」
「料理が出来る女の子は最高だぜ!」
「お嫁さんにしたいな」
「いや、息子の嫁に」
「孫の嫁に」
こんな言葉も出る、瞬への評価が特に高い。だが。
ジャスティスカイザーの二人の見事な食材選びと包丁捌き、そして的確な調理を見てだ、水族館にいる人達は忌々しげに舌打ちして言った。
「ちっ、料理上手だなこいつ等」
「そこは料理下手になれよ」
「某ISのセシリアちゃんみたいにな」
「何で料理上手なんだよ」
「余計な能力ばかり持ってるな」
「うっせえ、黙ってろ!」
「俺達が料理上手で悪いか!」
調理をしつつだ、二人はギャラリーに対して中指を突きたて頭に血管を浮き上がらせて言い返した。
「毎回毎回言いやがって!」
「手前等にも飯食わしてやるけれど下剤入れてやろうか!」
「そして下痢で苦しませてやろうか!」
「若しくは梅干と鰻一緒に食わせるぞ!」
今回も言い返す、しかし。
調理は続く、だが。
瞬のまさにお嫁さんにしたい位の、食戟でも十人に入られるレベルの瞬の料理の腕前を見てだ。尚ぶ武は尚智に囁いた。
「兄貴、あの腕じゃな」
「ああ、俺達が普通に調理してもな」
「勝てないぜ」
「負けないまでもな」
「引き分けは負けと一緒だぜ」
「ああ、勝利こそが全てだ」
まさに勝利至上主義である。
「世の中はな」
「だからな、ここはな」
「いつもみたいにやるか」
「いや、それは出来ないな」
尚智は弟に真剣な顔で答えた。
「反則も何もな」
「無理か」
「場所が離れてるしな、相手の料理に何かをするにしても」
「古典的過ぎて全員が警戒してるか」
「警戒してなかったらしてるけれどな」
この辺りはまさにジャスティスカイザーだ、この二人の頭の中に普通に勝負をして勝つというものは全くない。
「けれど今は無理だ」
「警戒され過ぎか」
「いつもやってるからな」
「そうだな、毎回な」
見れば観衆達もだ、皆チェックしている。審判の人も審査員の人も同じだ。皆流石に二十九回連続でそうしたことをしていれば警戒する。
だからだ、二人も言うのだった。
「今回は出来ないな」
「普通にイカサマしてもな」
「ばれるな」
「今回はルールもガチガチだしな」
「中々抜け穴が見付からないぜ」
二人が毎回見事なまでに見付け出しているそれがだ。
「さて、どうしたものか」
「ちと困ったな」
「俺達がちょっとおかしなことしたらな」
「即刻反則負けだぜ」
そんな状況だった、だが。
ここでだ、尚智は閃いてだ、尚武に囁いた。尚武も兄の囁きを受けてはっとした様子になって言ったのだった。
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