解かれる結び目 6
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きだ」
「……っ」
喉が引き攣った。
鼻先がくっつくほど間近に顔を寄せられ、息が詰まる。
キスされると思って顔を逸らした瞬間、首筋に顔を埋められて。
両腕ごと体を抱きしめられる。
耳の裏をくすぐる髪が、私の背筋を粟立てた。
「エルン、スト……っ」
「君が友達でいたいと望んでるのは知ってる。だからずっと言わなかった。君が少しでも僕を異性として認めてくれたら告白しようと思って。でも」
「……――――っ!?」
首筋にチクリと痛みを感じる。
何度も何度も同じ場所に吸いつかれて。
そこから痛みがジリジリと広がっていく。
「やめ……っ、エルンスト、やめて!」
抵抗するつもりで頭の向きを変えたのに。
反対側にも、同じ痛みを植え付けられる。
「自由になった君はきっと、僕を忘れて彼方へ翔んでいく。恐怖でさえも、自分の糧にして。強い力と共に」
「苦、し……、離して……っ!」
体を縛る腕がきつい。
まとわりつくような得体の知れない悪寒と、エルンストの言葉一つ一つが私の心臓を凍らせていくみたいで、指先が震える。
「怖い? そうだよ。僕も怖いんだ。君が僕から去っていく未来が、怖くて堪らない。僕は、君と居る為に神殿騎士の道を選んだ。傍に居られるなら、どんな形でも良かったんだ。失うことだけが……ずっと、怖かったんだよ」
エルンストの右手が、私の後頭部を捕まえて支える。
上向きにされた視界を、暗闇で塗り潰されたエルンストの顔が占領する。
「や……っ」
エルンストの息が熱い。
唇が触れる。
いや…………こんなの、嫌だっ!!
「なるほど。それが騎士殿の言い分か」
え
「確かに、どんな形であっても身近な人間を失うのは怖いな。大切な存在であればあるほど、離れたくないと思うのは当然だろうね」
「っ!? 貴方が、どうしてここに……!?」
エルンストの背後に突然現れたのは、カンテラを左手に持つ金髪の……
ホリードさん?
おかげでエルンストが離れてくれたから、呼吸は楽になったけど。
本当に、どうしてここに?
「騎士の君が険しい顔でずっと女神様の部屋? を見てたから、気になって観察してたんだけどね。なんとなく不穏そうだったから、付いて来たんだ」
私の部屋を、ずっと?
……あ。
だから、私が神殿に行くって判ったの?
私が窓から身を乗り出して、周りを確認してたから。
大神官様の目を盗んで神殿に入るつもりなら、中央口しかないと読んで。
「さて。で? 彼は言いたいことを言ったと思うけど、君はどうしたい?」
「私?」
「! 貴方には関係な」
「関係ならあると思うよ。今の話だと、俺
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