マブラヴ
1089話
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れば、まさかそう簡単に手を出す事が出来る筈もない。
「馬鹿ね、女好きの癖に女の事は分かってないんだから」
「どういう意味だ?」
「女ってのは、いざって時は強引に連れ去ってくれる人を思い描いているものなのよ」
「……その辺は個人で違うだろ。それに、もしそんな思いを抱いていたとしても、恭子は自分の責任や立場を理解している女だ。崇宰家を放っておいて俺のところに来るような真似は出来ないだろ」
元々、恭子は俺に言い寄るように崇継に言われていた節があるのは事実だ。
そういう意味では、崇継にしても計算外だったんだろうな。恭子が俺に本気で惚れるってのは。
「ふーん。あんたも罪作りな男ね」
「嬉しいような、嬉しくないような」
「けど、それって恭子様が家を捨てると決意すれば受け入れるって事でしょ?」
「どうだろうな。そこからようやくスタートって感じだと思うけど。それに、あんなに責任感の強い恭子が、崇宰家を捨てられると思うか?」
正確にはまだ当主になっておらず、次期当主の最有力候補って扱いでしかないのだが……順当に行けば恭子が当主になるのは確実だろう。
現在このマブラヴ世界で最も重要視されているシャドウミラーとの関係が深いというのは、この場合決定的な勝利条件になり得る。
「……難しい、でしょうね」
夕呼も俺と同じ結論に達したのだろう。小さく溜息を吐いて呟く。
そう、あれ程に家に対して高い誇りを持っている恭子が、家を捨てられる筈がない。
恭子とはそれなりに長い付き合いであるが故に、それは察する事が出来た。
「それに……」
そう言葉を続けようとした、その時。唐突に通信機が着信を知らせる。
誰だ? こんな話をしている時に。
そう思って通信機を起動すると……
『アクセル。大変よ。オルタネイティヴ5派の生き残りが宇宙船を奪取したらしいわ』
エザリアが映し出され、そう告げたのだった。
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