暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第3章 リーザス陥落
第47話 モチベーションup
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闇夜に紛れて暗殺者の類が来ないとも限らない。

ユーリは、かなみに 戻る旨は伝えたが、とりあえず まだ この場で留まる事に決めていた。そして、自身は全く問題ない。カスタムの気候は アイスに比べてもまだ暖かい。何より今の季節と言う理由もあるだろう。

「……だが カスタムの皆が心配だな。今日はちゃんと眠れているだろうか」

 ユーリはそう呟く。
 士気は増した様だが、十分な休息を取られるかどうかはまた別の話だ。精神が昂ぶり、緊張をしていたら……安易に眠れないのが人間だ。

 過去4度も襲ってきたというのなら、そんなに簡単に安心できるとも限らない。

 その上、時間指定の情報も入ってきているとは言え、総攻撃と言う最悪の情報も入っているのだから。そして睡眠不足は 戦いにおいては天敵だと言っていいから。

「……誰が、心配って?」
「えっ?」

 突然だ。
 ユーリの後ろから声がしてきた。夜だった事、そして 前方に集中していた事もあって、気配を察する事ができなかったのだろうか? 或いは、相手が相当の手練だったのだろうか?

 正確な理由は 絞れなかったが、接近をここまで許したのは紛れもなく事実である。不覚をとったと、反省するユーリ。だけど、その人物は 町中からやってきているし、何よりこの声の主は知っているから、心配はしていなかった。

「志津香か。こんな時間に、起きてて身体は、大丈夫……な、の……か?」

 振り返って彼女を見た瞬間、ユーリの表情が引き攣っていた。

 志津香の纏っている物、その姿。これは一体 どう言えば良いのだろうか……? 志津香は、不穏なオーラを纏っている様に見える。 そして、自然と悪鬼羅刹の文字が頭の中を過ぎった。

 以前、冒険・仕事の過程で、共に組んで戦っていた時に、よく言われた事だが、煉獄を使っている時の自分の事も同じような形容をされた事が多い。

 つまり……今の志津香の雰囲気が、煉獄を使っている時の自分?

「(……こんなに怖く感じてるのかな?)」

 ユーリは、心の中では敵に同情をしているのだった。と言うかそれよりも、そんな事よりも 志津香が何故、こんな雰囲気で佇んでいるのかが判らない。

「え、と……どうしたんだ? 志津香」
「……いいえ、ただ、久しぶりに会ったんだし、近況報告をしたいな。って思ってただけよ? まぁ、アンタは、今まで随分と楽しんでいるようだけど」
「……? 楽しむ? いったい何の話だ?」

 ユーリは志津香が何を言ってるのか理解出来なかった様だ。そして、志津香の雰囲気。何かを纏っているかの様な姿になっている理由は、判った。
 言葉の中に怒気が込められているのが判ったから。……だが、何を怒っているのかは、判らないが。


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