暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第3章 リーザス陥落
第47話 モチベーションup
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「ん?」

 志津香はつい、昔の呼び方になっていたが……、戻そうとはせずに続けた。

「ねぇ。ここは、……カスタムは、私にとっても大切な場所。大変な事、前にしてしまったけど……、それでも 色々な思い出が詰まってる大切な故郷……」
「……ん。そうだな」

 志津香の言葉にユーリは頷いた。そして 志津香はユーリの顔を見て、そして 俯かせて訊いた。

 これは、訊きたかった言葉だ。だけど、カスタムの誰にも訊く事が出来なかった。心配をかける訳にはいかないし、言葉にもしたくなかった。……自分の弱い部分を見せて心配をかけたくなかったんだ。
 だけど、この男になら、ユーリになら、自然と志津香は訊けていたんだ。

「……私達勝てる……よね?」

 勝つとしか、考えていなかったんだ。いや それ以外を考えない様にしていた、と言う方が正しいかった。

「……」

 それを訊いたユーリは、俯きがちな志津香の頭を軽くこついだ。軽い衝撃が志津香の頭に起こる。

「んっ! な、なにをっ」
「心配するな」
「え……?」

 この時、志津香は、ユーリの顔を見た。

 その顔は笑っていた……。その顔は、そう、志津香は何度も見た事がある。あの幼い頃の記憶を思い出しているのはユーリだけじゃない。……いつも、そうやって自分を見てくれていた目。そうやって自分に笑いかけてくれた顔だった。安心できる顔だった……。

「勝てる。カスタムは守れる。……守ってみせるさ。必ず」
「………」

 志津香は、その顔を、暫く。いや 少しだけ 魅入ってしまっていた。

 あの時と何ら変わらない安心できる笑顔を。……変わらない、変わってないと言ったら ユーリに怒られるかもしれないけど、そう思わずにはいられなかったのだ。

「相変わらず……、ね」
「うん?」
「いいえ。……ありがとね。ゆー」

 志津香は帽子の鍔を持ち 表情を見られない様に軽くかぶると、そう呟いていた。
 作った拳を、ユーリの胸の部分に軽く拳を当てて。

「良いのか? 呼び名……昔に戻ってるぞ?」
「……そうね」

 ユーリはそう言うけれど、志津香は何も介さなかった。普段ならパンチか脛蹴り、踏み抜きが来そうな気がしたが。何も来ない。だからユーリは笑っていた。

 そして、後少しで、ユーリの肩と志津香の肩が触れ合いそうな距離。

 彼の肩に、自らの肩を預けようと無意識にそうしようとしたその時だった。

 “ごとっ!” っと、町の方で何やら物音が聞こえてきたのだ。

「ん?」
「……」

 志津香は、何かに気づいた様で、さっと ユーリから距離を取ると、ゆっくりとした動作で立ち上がる。

 そして 素早く町へと向かった。

 町を囲う壁の裏。そ
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