4部分:第四章
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紋切り型の突込みだと思ったりもしました。けれどそれはそれで話を続けました。
「気が向いたら来るわ」
「気が向いたらかい」
「わしはな、夕暮れに人の家にあがりこむのが好きなのじゃ」
それがぬらりひょんの習性なのです。それだけのことなのですがどういうわけかこの妖怪はそのことに関して妙なこだわりさえ持っているのです。それもまた妖怪故でしょうか。
「それをせずにはいられない」
「そうかい。じゃあまたね」
おみよさんはそれを聞いて言いました。
「またおいでよ。それで話をしようよ」
「そうじゃな」
何か話が完全に砕けたものになっていました。
「それではな」
「ああ、またね」
ぬらりひょんは姿をすうっと消しました。それでおみよさんは一人になりました。
「さてと」
一人になってから目をぱちくりとさせて呟きました。
「また寝ようかね。皆が帰って来るまで」
そう呟いてまた寝はじめました。何かものぐさでいるということに完全に自分で納得しているようでした。これはこれでいいのかも知れません。人それぞれですから。
ものぐさ上等 完
2006・12・13
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