生きるのは死を逃れる為じゃない、死を恐るから生きるんだ。
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、中世代の貴族風ぽい服装だったけど案外コスプレだったり。
自然と笑みを零す。こんな状況下でも俺は笑えるんだな。
見えてる方の片眼も靄が掛かり始めた。
まだ、見える程度の左眼の視界は歪む。少しづつ色は消え、少しづつ視界は点滅する。
チカチカと光を放って消える壊れかけの蛍光灯の様だ。
「頑張れよ…………ほら、もしかしたら。
…………写輪眼とか開眼…………するかも………………よ」
あっ・・・・・・・・・写輪眼通り越して万華鏡写輪眼の連発した後の結末の失明コースだな。
完全な闇だ。
目を閉じても、人間の目は僅かな光を見られる。
でも、俺の視界は完全な闇だ。
僅かな光すら通さない空虚な闇だ。
混乱すると思ったが、俺は案外冷静だ。
貧血だからか。考える事は悲観的と楽観的が混ざったパワフルな状態だ。
「・・・・・・・・・・・・・・・」
死ぬのか、理不尽すぎるだろ。
潰れた片目を抑え、俺は地面を這いずる。
死ぬのは嫌だ。生きるんだ、助けられた命なんだよ。
何故、あの子は俺を助けたのか?
理由は解らない。でも、助けられた事は事実だ。生きる事を明らめるな、死ぬのは生きる事を精一杯努力した後だ。死ぬとか、生きるとか、考えると俺は毎回悩んでいた。
今、生きてるのは自然な事で。
死ぬのは不自然な事だと思ってた。
人間は死ぬんだ。それを俺は理解した。
――――――じゃあ、生きるのは死ぬ事なのか?
人間は、俺は死ぬから。
死を逃れる為、生きるのか?
――――――――――違う!!!!
死から生きるんじゃない。
生きる事を、死ぬ事を、知るから生きるんだ!!
力が湧き上がる。
生きる意味を死の意味を理解する。
何故、心臓の鼓動は止まないのか?
何故、人間は穢れた生き物なのか?
何故、人間は人間を愛せるのか?
単純な事だ、それを理解するのに理由なんて必要ない。
「今度は…………俺の番だ」
少年は立ち上がった。
幾度も繰り返された理不尽を終わらせる為、少女を助ける為に。
そして少女は気付き、笑みを零す。
今度こそ…………八尋が私を救ってくれると。
抑えきれない嬉しさと哀しさを胸に、少女は呟いた。
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