暁 〜小説投稿サイト〜
blood∴or∵knight
生きるのは死を逃れる為じゃない、死を恐るから生きるんだ。
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を整えた状態なら迎撃可能と判断する。
 ただの零なら魔力を吸い上げる悪霊。攻撃力は皆無だ。
 でも、この数……魔力を媒体に『惡魔』召喚されたら−−−敗北は確定、損害は計り知れない。
 弱音は吐かない。
 今度は助けるんだ。
 少年から奪った魔力の一部を札へ移行。
 この札は少年の偽物と成った。
 その札を自分自身に貼り付け−−−−−逃げる!
 それを追って零達は私を追いかける。
 作戦成功だ! 微量の魔力を込めた札を貼って置いた札に重ねる様に貼った。
 ―――起爆スイッチon。
 ――――魔力開放!
 仕掛けていた札は爆発した。
 建物に危害を加えず、零だけ仕留める魔術。
 何十枚の札は爆発を続ける。何度も、何度も、何度も、手持ちの札を全部使ったんだ粗方片付けられるよね。
 爆風は感じない。解るのは消失。
 零だった残留粒子は校内を漂って消える。
「終わった……………………」
 一瞬の出来事だ。
 だが、背筋の凍る時間でもあった。
 階段を駆け上がって仕掛けたトラップで一網打尽作戦は時間換算だと10分も満たない事だ。
 でも、私はその一瞬を生き抜いた、死ぬかも知れない事をやり遂げ、見事生還したのだ。
 膝が笑ってる…………疲れた。
 余裕なんて無かった。
 死ぬか生きるかの瀬戸際をぐるぐると行ききすると考える余地を消され、する事をやるべき事から目を遠ざけ、現実逃避する。そんな自分を変えた、変えられた。
 一人の少年を助ける為と言っても消費した札の枚数と魔力は釣り合わないと解っても、命を救えた実感が、私の心をスッキリさせてくれる。
「さぁ〜札を貼り直して帰ろう!」
 清々しい気分のまま私は仕事を再開するのでした。
 その後、最悪の結末が待っているとは知らず。






 潰された片目を右手で抑え、出血量を減らそうと試みるが、駄目だ。
 流れる血は増すばかり。そろそろ大量出血で死ぬな、俺。
 左手は裂け、感覚は消えた。
 最初は痛いと嘆いた。
 だが、痛覚の消えた今、悲鳴を上げる必要は皆無だ。でも、人間的心理だと痛みに耐えきれず暴れ回るのが普通かな。
 両足は無傷だ、歩ける。
 立ち上がると視界が眩むが、動かないと…………殺される。
 理不尽だな、人生ってさ。圧倒的な力の前だと無力だよ。血がぽたぽたと垂れる。
 疲れた・・・・・・眠い・・・・・・今日の晩飯、確か、カレーだったよな・・・・・・腹減ったな。
 俺は状況を打開する方法より今日の晩飯のカレーを食べる事を考えていた。呑気なのか馬鹿なのか、でも、理不尽で死ぬより満腹な状態で死を迎えたい。
「………………あの人…………」
 俺を助けようと囮となった少女は無事なのだろうか?
 変な服装の女の子だったな。外国の人かな
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