生きるのは死を逃れる為じゃない、死を恐るから生きるんだ。
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たならその時考えよう。恥ずかしくなるのはその後でも十分できるよ。
「今日の放課後、カラオケ行こうぜ!」
「おっイイね」
「野郎だけでかよ〜女の子誘って行こうぜ〜」
男子生徒達は私の存在を無視する様に通り過ぎた。
そう、それが正しいのだ。礼装の効力と人間の目を錯覚させる魔術で、私の姿は他人に見えない。
例え、変な服装どろうと見えなければ問題ないと解るが、抵抗は残ったまま・・・慣れるのは時間が掛かるな〜と考えつつ手元の札を窓ガラスに貼付けた。
『式神 予兆』
札は窓ガラスと一体化する。
人間は運が良いと思った時、自分は付いていると思い込む。
逆に運が悪いと思った時、自分は運が悪いと思い込む。
その思い込み利用するのが札だ。
札を張っていれば災難を祓ってくれると人間は錯覚する。
その錯覚を応用する魔術『勘違』
見えない札は人間に錯覚を与える。
説明するとなると時間が掛かるが、一言で言えば『加護』を付与する。
札の効力範囲内の人間は錯覚する、俺は、私は、恵まれていると。
―――――ノルマ達成まで、あと4枚かな。
張っていると安心する札は効力範囲が狭い。
錯覚を利用する札を途切れ途切れ、糸を繋げる様に設置する事で、校内全体を守護する術式は完成し完全な結界は完成するのだ。
私の仕事は蔓延る『零』達の供養です。
現世で彷徨っている霊達を私達の業界では『零』と言います。
一応、私は高校生です。こんなインチキ臭プンプンの仕事と高校生を両立中です。
午前中の授業をすっぽかし仕事をする私……帰ったら補習は確定だな〜と現を抜かし残った札の枚数を確認します。
―――――学校の制服、着たいな。
人間の視覚に映らないと行っても私の本業は学生だ。
しかも校内です。変な服装で校内を歩き回るより制服を着て堂々と廊下を歩きたい。
でも、今回は諦めます。
理由は簡単です、なんせ今回の現場は――――
「夏那の奴、今日も遅刻?」
「最近ずっとだよな〜」
「サボってるんじゃねぇの? 最近寒いしさー」
そう、今回の現場は私の通う学校なのです。
数時間後。
真っ暗な夕焼け色に染まった学校を私は歩きます。
学生の本業は勉強なのに……朝から夕方まで仕事なんて。
まぁ、就職すれば毎日こんな感じなのかな。そう考えると憂鬱です。
校内の生徒は殆ど帰りました。残ってるのは学校の先生と職員のみです。
と思ったんですが、一人男子生徒が残ってました。
蒼色混じった黒髪の少年です。
勉強中なのかノートを開いて熱心に、何かを書いています。
チラチラっとノートの内容を見てみると…………世界の定義? と書かれた中二病ノートでした。
自分の
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