第1章:平穏にさよなら
第3話「志導緋雪」
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かけられ、私達は家族四人で買い物に出かける。
「....あれ?」
買い物の帰り、お兄ちゃんが通りかかった公園を見て呟く。
「どうしたの?」
「いや...あの子...。」
お母さんに聞かれて、お兄ちゃんが示した方向を見てみると、
「(...あの子ってもしかして....?)」
茶髪でツインテールの女の子がブランコに寂しく座っていた。...間違いない。高町なのはだ。
「...随分寂しそうね。何かあったのかしら?」
お母さんも彼女の雰囲気に気付いたのか、心配になって声を掛けに行く。
「ねぇ。」
「....ふえ?」
いきなり声を掛けられて、間の抜けた返事を返すなのはちゃん。
「こんな時間に一人でどうしたの?」
「あ..えっと...その....。」
お母さんの問いに、口籠ってしまうなのはちゃん。
「お母さんやお父さんが心配してるわよ?」
「っ....。」
“お父さん”の単語に反応を示すなのはちゃん。やっぱり、これは原作にもあった高町士郎さんが大怪我した頃なのね...。
「...おかあさんは、おとうさんがおおけがをしておみせがいそがしいから、なのははめいわくにならないようにここにいるの。」
「....そう...。」
なのはちゃんのお父さんが大怪我をしてる事に、少し驚いた顔をするお母さん。
「...でも、こうやって遅くまでお外にいたら、それこそお母さんに悪いわよ?」
「っ...それは....。」
「それに、あなたぐらいの子は、もうちょっと甘えるべきなのよ。」
諭すようになのはちゃんにお母さんは言葉をかけていく。
「で、でも、それだとめいわくだよ...。」
「子供は迷惑を掛けるものよ。...私もこの子達の母親だから分かるのよ。もっと甘えてもいいのに、この子達はあまりにもお利口さんすぎるから、ちょっと寂しいぐらいなのよ。」
苦笑いしながら言うお母さん。...確かにあまり甘えてないなぁ...。お兄ちゃんも目を逸らしてるし。
「自分の子供が何か我慢してると、親は心配でたまらなくなるわ。こんな時間まで一人でいると、きっと皆心配で心配で、...それこそ迷惑になるくらいだと思うわ。」
「っ....。...だったら、どうすればいいの...?」
お母さんの言葉にどうすればいいのか涙目になるなのはちゃん。....どうでもいい事なんだけど、今のお母さんの言葉、五歳児には難しいんだけど...。
「...我慢しなくていいの。“寂しい”とか、自分の気持ちをしっかり打ち明けたら、きっと寂しい思いなんかしなくなるわ。」
「...ほんとう?」
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