マブラヴ
1088話
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大体、そんな緊張ばかりしてれば、パイロットの身体の方が保たない」
人間の集中力なんて、それ程続くようなものでもないんだ。それを思えば、この基地の状況は決して悪いとは言えない。
「ふふっ、そうですね。香月博士も以前と比べれば大分リラックスしているようになってきました。その辺を思えば……」
イリーナと話しながら歩いていると、やがて夕呼の研究室の前へと到着する。
「香月博士、アクセル代表をお連れしました」
「すぐに入れて頂戴!」
……扉の中から聞こえてきたのは、どこか切羽詰まっているようにも感じる声。
何だ? まさかまた何か問題でもあったか?
夕呼の様子に首を傾げつつも、イリーナが扉を開け……
「うおっ!」
突然部屋の中から突っ込んできた何かを咄嗟に迎撃しようとして、すぐにそれが夕呼である事に気付く。
まさか夕呼を攻撃する訳にもいかず、そのまま抱き留めると……
「んもー、アクセル。あんた達最高! あははははは、良くやってくれたわ、オルタネイティヴ5派の奴等、ざまあみろってのよ!」
夕呼には珍しい程の喜色満面。まさに絶好調といった感じで俺に抱きつきながら喜びの声を上げていた。
オルタネイティヴ4とオルタネイティヴ5。同時に2つの計画が進んでいた以上、色々とお互いに思うところがあったのだろう。
特にオルタネイティヴ5の方はアメリカの肝いりだ。オルタネイティヴ4だって日本の肝いりなんだろうが、どうしてもそこには国力の差が出てきてしまう。
「んー、ちゅ、ちゅ、ちゅ!」
顔中に向かってキスの雨を降らせてくる夕呼。
更には……
「んー!」
自分の唇を、俺の唇へと重ねてくる夕呼。
ったく……このままだといつまでも止まらない。
お仕置きを込めて、キスしてきた夕呼の頭を固定し、こちらから舌を入れてやり……
「ん!? んん、んんんんんーっ!?」
こちらからのキスに驚きの表情を浮かべ……俺の思うがままに翻弄されるのだった。
そして数分後……
「……あんた、色々と後で覚えてなさいよ? このあたしにこんな真似をして……」
「その状況でそういう口を利けるのはある意味立派だと思うけど、腰が抜けてる状態から復活してから言えよ」
俺と夕呼の口の間を銀糸が繋ぎ、それを見た夕呼は薄らと頬を赤くしながら白衣から取り出したハンカチで口の回りにあるキスの残滓ともいうべきものや、色々と酷い状態になっている口紅を拭く。
そんな俺達の近くでは、イリーナが顔を真っ赤に染めながら視線を逸らしていた。
白人だからか、頬が赤く染まっているのが良く映える。
「あー、もう。全く、取りあえずちょっとここで待ってなさい。あたしは後始末してくるから」
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