一之瀬VS鬼道!天才対決!
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具合悪いのか?」
「ううん、日に日に良くなっているわ…」
「……」
俺でもお嬢の様子が変なことに気づいた。ベンチに座ってひとまず理事長のことを尋ねてみるとどんどん良くなってると返事を返すが、その言葉と裏腹に、お嬢の表情はますます暗く沈んでしまう。俺はお嬢に手を伸ばした。
ぱしっ
「来いよ!」
「え…?」
「いいからっ!」
お嬢の暗い心境を察した俺は、お嬢の手を握ってベンチから立たせた。
そして俺がお嬢を連れてきたのは、町中が見渡せるほど眺めのいい鉄塔の上だった。
「わぁ…!」
「綺麗だろ?俺の一番のお気に入りの場所なんだ。これ見てたらなんかさ自分がちっぽけに思えてこないか?悩んでることとかどうでもよくなるんだよ」
悩んだ時にはここへ来て開放感を味わうことが俺なりの解消法。
お嬢の悩みもこれで和らげられたら…。
「ええ…」
「……」
しかし確かに表情は明るくなったものの、まだまだ弱々しさが感じられるお嬢の表情…。
俺はお嬢に声を掛けた。
「一人ぼっちじゃないんだぞ」
「えっ…」
「お嬢には俺達がついてるだろ、みんなお前の仲間だ」
「雷藤…君…」
「だから笑えっ!」
「…うん…!」
─────────
「こんばんわ〜」
「あら秋ちゃん!いいところに来たわ、お料理手伝って!」
「え?あ、はい」
「一之瀬君の話が聞きたいって、次々と集まってきちゃって大変なのよぉ」
その日の晩、俺たちを始め、一之瀬は円堂に誘われて円堂宅で晩ご飯を食べることになっていた。
そして秋が来た頃には、すでに円堂の家は、鬼道以外の雷門イレブン全員で溢れかえっていた。
(ふふ…みんな同じこと考えてたんだ!いいなあ…今日だけは男の子に生まれ変わって、私もサッカーの話で盛り上がりたいなあ)
俺たちが一之瀬たちと話をしている最中、そんなことを思う秋だった。
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