第3章 リーザス陥落
第46話 必勝作戦
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そう言うと、フードの先を指で摘んで、深くかぶった。
もう、カスタムの皆には顔バレ?してるから、そこまで深くはかぶっていなかったのだ。だが、……致命的にも、以前の事を思い出してしまったようだ。
「……あ、成る程な。まあ納得だ」
ミリは、ユーリの仕草を見て頷いた。
あまりに頼りになる存在だから、ちょっと忘れてた様なのだ。ユーリはユーリで、忘れかけてた以前の事を思い出しているようだ。
あの公衆の面前で、散々からかわれたあの時を……。
「ふっふふ〜! さぁ、ランスさんはシィルさんとメイクラブなら、トマトはやっぱり、ユーリさんですかねー!」
トマトが何やらユーリの方へとやってきた。
「ユーリさん! この後暇なんで、一緒にお食事でもどうですかねー? アイテム屋の実力を見せますです!」
「……アイテム屋に料理なんてあるのか?」
「コラっ! さっさと休みなさい! アンタだって、十分疲れてるでしょ!? それに怪我だってしてるんだから」
「ダメですかね〜! 志津香さんはそう言って、ユーリさんを独占しようとしてますねー? トマトは騙せないですよー!!」
「んなっ! 何 馬鹿なこと言ってるのよ!!」
「ふふふ、人数が減ったのに、賑やかさはあまり変わりませんね? これも……ユーリさん達のおかげですよ」
賑やかなのだが、ユーリの耳には入ってきていないようだ。
「……あら? ユーリさん? どうか、しましたか?」
「ん……? いや別に……」
フードを深くかぶりつつ、ユーリはゆっくりと離れていく。
「あ……、アイツ、ひょっとして、あの時の事思い出した? 今更って気がするけど」
志津香はぴんと来たようだ。
それは、以前 ラギシスに勝った後の宴の席。いや、正確にはラギシスを倒した後、カスタムの町に戻ってきた時だ。
あの時の最後には吹っ切れた形をとっていたユーリだったが、どう見ても空元気だった。
「え、ええっ? ユーリさん?? どーしたんですか?」
カスタム防衛戦について、色々と情報を仕入れていたかなみは、突然ユーリの様子が変わった事に今気づいたようだ。何やら、何処となくどんよりしてる。
「いや、別に……、オレは皆と違ってそこまで疲れてないし。とりあえず、一応町の入口で見張ってるよ。夜襲でもされたら、大変だろう?」
「そ、そこまでしていただくわけには……」
「良いって、良いって。皆疲れてるだろうし。 今は 明日に備えて疲れを癒しといてくれ。チサだって、父親、ガイゼルの介護もあるだろ? 病を推して防衛戦でも指揮をしてくれていたそうじゃないか。……と言うか、それは建前で、今はちょっと一人にして欲しいのが本音」
ユーリはひらひらと手を振って離れていく。
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