第3章 リーザス陥落
第46話 必勝作戦
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はい、すみません……ゆーり、さん」
「ん。明日はよろしく頼むよ」
かなみは、のろっと立ち上がると、深々とユーリに頭を下げ、宿の方へと向かっていった。
その場所は、チサの計らいで好きに使っていいと言ってくれている宿舎。勿論、ランスとは別部屋どころか、別の建物である。
ユーリもかなみを見届けた暫く後、宿舎へと向かっていった。
それは、かなみが睡魔と闘いながら、宿舎へと戻る道中の事。
「あふぅ……っ はぁ……ちょっと、締まらないなぁ。かっこう、わるい……い」
かなみは、何度も襲ってくる眠気を必死に噛み殺しつつ、……ため息を吐いていた。
そもそも、一緒に見張りを買って出た筈なのに眠たくなるなんて……。
忍びとして恥ずかしい……とまで思ってしまったようだ。それが知られたのがユーリだけなのが、かなみにとっては、良くもあり、逆に悪くもある。
ランスに見られたら、どれだけ言われるか判らない。
……ユーリに知られたのは、只々恥ずかしさが後から押し寄せてくる。何故だか、さっきまで眠たかった筈なのに、今は何故だか冴えてしまった程だ。
その時だ。
「あの、かなみさん、で良かったかしら?」
「うひゃいっっ!?!?」
突然、後ろから話しかけられた。
深夜遅かったし、意識も散漫になってて 話しかけられるまで気がつかなかったのだ。
「御免なさい。驚かせて」
「い、いえ……どうしたんですか? こんな遅くに……、えと……志津香さん」
後ろにいたのは志津香。
実を言うと……、志津香は 結構前から様子を伺っていたんだけど、出て行かなかった。(かなみがいたから??)
「お礼を言ってなくて。かなみさんも、ありがとう。私たちの町の為にいろいろとしてくれて」
「いえ……、これもリーザスの為ですから」
「リーザスの?」
「はい……」
かなみは、自分のことを説明をした。
リーザスの忍びである自分自身の事を話すのは基本御法度だが、今は状況が違うのだ。それに、信頼を得る為にも仕方ない。
「そうだったの……ヘルマンの連中がどうやって、ここまで勢力を伸ばしてきたのかが気になっていたけど、深夜のいきなりの襲撃が……」
「はい……、それで。謂わば私たちが陥落させられたせいで、他の町やカスタムの町を……」
「それは、かなみさんが気にすることじゃないわ。全部、ヘルマンが悪い。魔人なんかと手を組むなんて、人間としてもどうかしているのよ」
志津香はそう言ってかなみの肩を叩いた。
「ありがとうございます……志津香さん」
かなみは、少し目をうるうるとさせていた。でも……なぜだろう?志津香がかなみの肩を握る手の力が
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