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少年は魔人になるようです
第104話 少年達は核心へ近づくようです
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違いますね、この中のどれでも無い!」

「貴方が僕の何を分かると言うんですか……!」

「いいや分かりますとも!」


投げかけられた糾弾にネギは激昂するが、更に激昂したクルトの返答に鼻白み止まる。


「君は自分で思っている程欲深くない。他人が思っている程無欲でも無い。

そう……君の願いはたった一つであり、それでいて全てでしょう!」

「ち、違う、僕は―――」

「君の願いは!」


必死に、その場の自分を含めた全員に言い聞かせるように、クルトはネギの心中を叫んだ。


「自分の!自分達の幸せを、日常を壊す何者かへの復讐だ!!」

「………!」

「気付いたでしょう?村を焼いた何者か!両親を連れ去った何者か!学園での日常!

生徒や、教師や、彼等との幸せな日常を取り戻す為に!そこへ両親を加える為に君は力を得た!

皆の為などと嘯くのはもうやめなさい!君は、君の掴みたい世界の為に力を得たのだ!」


遂に自分の指標を得て、それに向け進むべきネギは――膝を屈し、その場で項垂れる。

告げられた答えに比べあまりに動揺した様子のネギに、千雨達も動揺し駆け寄る。


「せ、せんせー!?しっかりしてください!」

「おいおいどんだけメンタル豆腐なんだよ!?あんたがしっかりしないでどうするよ!」

「おやおや……君の事を何も分かっていないのですね、お仲間さんは。

いや、君自身自分の内心を分かっていなかったのですから仕方ありませんか。」

「どういう……意味ですかね、提督さん?」


大げさな手振りで近寄るクルトに、千雨を先頭に、のどかと朝倉はアーティファクトを呼び出し

戦闘態勢を取る。無論、目の前のS級以上であろう達人との戦力差は心を読めたとしても歴然だ。

しかしクルトは自分の宣言に則り煽るような事を避け、振り返って後ろに数歩下がり、続ける。


「さて、ネギ君が何故そこまで動揺したか、ですか?簡単な話です。ネギ君は他人の為にしか

動けない優しい子なのですよ。逆に言えば……自分の為だけではそうなってしまう愚かな子だ。

まして、村人の為と、両親の為と、君達の為と。それだけを目標にして来た、と思い込んでいた

彼がそうなってしまうのは自明の理でしょう。」

「な、何を根拠にそんな事を!あんたがネギ君の何を分かるってのよ!」

「分かりますとも。彼の通っている道は、既に私が通った道なのですから。」


堂々と言ってのけるクルトに三人は可愛そうなものでも見る目を向け、ネギは縋るような、

奇異なモノを見る様な畏怖の眼で見る。四人に敵意以外の目を向けられ、クルトはどこか

恥ずかしげに目を背け頭を振る。


「……とま
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