第五話、結成
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翌朝、強制起床アラームによって眼が覚めたリュウ……
ベッドを見るとシリカはまだ眼が覚めていなかった
「シリカさん、起きてください」
呼びかけながら肩を揺するとゆっくりとシリカは起きる
「…御早うございます…」
夜にきたメールのおかげか昨日よりは幾分か落ち着いたみたいだ
宿に入る前にNPCの店で買った黒パンもどきとミルクもどきで朝食を済ませると不意にシリカがこんなことを聞いてきた
「…リュウ、攻略するの?」
「…どうして?」
「何か…決めたような顔をしてるから…」
そう言ってリュウを見るシリカ
「……僕は、いや……」
そう言ってリュウはもうひとつの顔を見せる……
龍也達に拾われる前の自分……
特騎士の皆からは"仕事モード"と言われる自分を……
「俺は元βテスターだ。なら、多くのプレイヤーの命を救う為にも率先して攻略しないといけない……多くの命を守らないといけない。それに…俺たちに外からの救助を待つ時間は無いと思うからな…」
そう、リュウが考えていたことで一番最悪なこと……
ゲーム内でなく肉体的な問題……
つまり、リュウ達の現実での体は今は水を飲むことも食べ物を食べることもできない
病院や施設に移されてチューブからの栄養といろんな機械によって生かされているのである
それにだって限界があるはずだ
それも、個人差もある……
「………」
シリカは其を静かに聞く……
「だから、沢山の人々を救う為にはゲームをクリアする事が、ここからの一番の脱出方法なんだ」
「HPがなくなると死んじゃうんだよ? それでも、ゲームをクリアするっていうの?」
静かに聞くシリカ……
其にリュウは答える……
「レベルさえ高ければ簡単には死なない。それがレベル制MMOのいいところだ。もっとも、悪いところでもあるが……」
そこからは沈黙が続いた。
シリカはベットに腰かけ俯下をむきながら床を見続け、リュウは椅子に腰かけ組んだ手を見続けた
「私も…行く…」
「………へ?」
シリカの言葉に変な声をあげるリュウ……
「リュウが、この世界を終わらすなら、私がリュウを守る……初心者だし、足を引っ張るかも知れないけど、絶対にリュウを守る」
「……」
シリカの言葉を静かに聞くリュウ……
「だから、私も連れていって」
シリカはそう言ってリュウを見る……
決意を込めた目で……
「言っとくけど、守ってもらうつもりはない……」
リュウの言葉にシリカは目を伏せる
が……
「俺を守るって言うなら、俺ははお前も守ってやる」
「へ?」
リュウの言葉にシリカは顔をあげる
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