誰か助けて!
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「こわ…かったよ…ロビン…!」
精一杯言葉にしようとしたけど、何も言えなかった。
「もう何も言わなくていい。途中で見失ってしまって、助けるのが遅れて悪かった。」
「うん…。」
「今日の事は親父さんに黙っておいてやるから。今は…ここにいるのは俺じゃないと思っていい。」
「…?」
ロビンはあたしをそっと抱きしめて、頭を撫でてくれた。
「!」
「何も言わなくていいって言ったろ。落ち着くまでこうしててやる。」
いつもはぶっきらぼうで口うるさいのに。
あたしを抱きしめたその腕からは、何にも変えられないロビンからの優しさが伝わってきた。
「あり…がと…。」
あたしはしばらくロビンの優しさに甘える形で泣き続けた…。
やがて、車はニール家に到着した。
その時、屋敷からロビンのパパ、デーヴィスさんが車に近づいてきた。
「サイモン、こんな夜遅くまでどうしたんだ?用事があったのに。」
先に車を降りた執事さんに、デーヴィスさんが話しかけてきた!
周囲は暗いから、後部座席まで見えていないようだけど…あたしがいるのがバレたら一大事…!
「申し訳ありません。ロビン様の使いで、今日急に使う事になった参考書を買うのに付き添っておりました。早速ご用件を承ります。」
執事さんは、後部座席を見られないように、デーヴィスさんの視界をさりげなく遮ってくれ、デーヴィスさんと一緒に屋敷へ戻った。
「最初に親父にバレないようにって話しといて正解だったな。ミレーヌ、どうだ?帰れそうか?」
「……。」
もう車を降りなきゃってわかってるんだけど。
その時はまだ気持ちが高ぶり、怖さが勝っていた。
あたしは小さく横に顔を振るので精一杯だった。
「いいよ、もう少しこうしてるから。」
あたしが落ち着くまでの間、ロビンはずっと傍にいてくれた。
「迷惑かけちゃったわね、ロビン。」
服装を整え、やっと落ち着きを取り戻したあたしは、自宅に向かいながらロビンに話しかけた。
「もうこれに懲りたら、簡単に男と付き合ったりすんなよ!バカが!」
「やめてよそういう言い方!今日あったことは全部忘れるから!」
「お前、送ってもらってその態度かよ!」
「もうここでいいわ!とにかく感謝の気持ちは伝えたし、いいでしょ!おやすみ!!」
あたしは言いながらも、甘えてしまった事を思い出して恥ずかしくなり、ロビンを見ずに家に入った。
ロビンに大きな借りを作っちゃったなぁ。
それにしても、今日は助けてくれて本当に嬉しかったのに。
どうしてロビンはいつもあんな言い方しかできないの?
それじゃあいつまでもこのまま言い争うだけじゃない!
あれ?
それって、あたしがロビンと仲良くしたいって思ってるって事!?
ううん、そんなワケ
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