誰か助けて!
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少しあたしから放たれた。
そこにいたのは、怒りの表情で懐中電灯を持ったロビンだった。
ロビンの傍には、まるで格闘家の如く体格の良い、スーツ姿の男性も。
「何だお前らは!関係ないだろう!?」
「俺はお前と同じ大学に通うロビン・ニールだ!リチャード・アンダーソン、このまま彼女から離れないと、警察沙汰か大学に報告するぞ!?」
「何をえらそうに!!」
リチャードさんがロビンに殴りかかった。
ロビンは咄嗟に避けて、リチャードさんの胸倉を掴み思いっきり殴り返した!
「悪いが正当防衛だ!」
「こっ…この野郎っ……!」
リチャードさんは殴られたまま身動きが取れず、ロビンはその隙をついてあたしを抱きかかえ、車から降ろしてくれた。
「邪魔しやがって!ミレーヌさんから離れろっ…!」
後ろを向いていたロビンに、リチャードさんが殴りかかろうとした!
「ふんっ!!」
「ぐあっ!!!」
一瞬何が起こったかわからなかったけど。
すかさず近くにいた男性が、追い討ちでリチャードさんにボディーブローをお見舞いしていた…!!
「ずる…いぞ…。」
リチャードさんはそのままのびてしまった。
「バカ野郎が!こんな犯罪まがいな事をして、どっちがずるいってんだ!」
ロビンがリチャードさんに言い放った。
「お二人とも、こちらの車に!」
男性が、あたしとロビンを別の車の後部座席に乗せてくれた。
一緒にいた男性は、ニール家に仕える執事さんだとロビンが説明してくれた。
執事さんが運転する車で、あたし達は自宅に向かっていた。
あたしはずっと恐怖で言葉を話せず、無意識にロビンの腕を震えながら掴んでいた。
「落ち着いたか?ミレーヌ。」
「……。」
「俺がもう少しちゃんとお前を説得してれば、こうはならなかったはずだ、ごめんな。」
あたしはなぜロビンがそんな事を言うのかわからなくて、涙目でロビンを見上げた。
「昨日、大学であいつが屯っているところに通りかかって、話が聞こえたんだ。あいつら、仲間内でポーカーをして負けたヤツに、罰ゲームで女の子をナンパして強引に関係を持ってすぐに捨てるっていう、最低な事をしてたらしい。リチャードは罰ゲームでお前に近づいたんだよ。あいつは過去にも数人の女の子に同じような事をしてたみたいだ。あくまでも罰ゲームは名目で、ただ遊びたかっただけなんだろう。だから許せなくて、悪いけど執事に頼んで車で尾行させてもらった。」
話を聞くだけで、あたしがどんなにひどい男に引っかかったのか。
ロビンがどうして、あんなにデートに行くのを止めようとしていたのか、理解できた。
こんなどうしようもないあたしを助けてくれて。
それと同時に自分が申し訳ない気持ちになって、安心もして…。
涙が溢れた。
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