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少女の黒歴史を乱すは人外(ブルーチェ)
第四話:休息となり得るか
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「……試してみるか、色々と」


 リビングのドアを開けキッチンへと向かい、冷蔵庫を開けて中身を物色する。


 焼き鮭の残りや煮物はアウトだ。食べなくとも変な味がするのぐらい、今朝の経験で分かる。
 かといって、調味料を直に口にするのも気が引ける。そんな冒険は最後の最後……俗に言う最終手段で充分だ。


 だが……ならば何が良かろうか。


「……」


 延々考えていても仕方無かろうと、俺は避けるべき物を除いてのべつ幕無しに取り出した。

 昨夜のホウレンソウに煮びたしにハムにベーコン、冷凍食品各種に何故か冷蔵庫内にあったツナ缶、トマトやキュウリなど生の野菜、一応と言う事で調味料も取り出しておく。


 さて、順番に試していくとしよう。


「まずはハムだ……ボンレスハムなのか――――――んぐっ!?」


 不味い! ……思わず心の中でそう叫んでしまった。


 甘い甘い不快辛い甘い甘い生臭い……そんなパンチの利きすぎた味の連鎖に耐えきれず、俺は慌てて口から吐き出し水を飲んだ。


 如何やら水は飲めるようで、昨日まで飲んでいた時と、何も変わらないようにも感じた。……水も候補に入れなきゃな。


「ハァ〜……次だ」


 落ちついてから口を付けたのはホウレンソウの煮びたし。これも父の大好物で、俺もこの煮びたしはそれなりに好いていた。


 口に入れて咀嚼してみる…………。


「……チッ、駄目だな」


 予想はしていたが、やはり不味い。調理が簡単ならば良いとは思ったが、どうにも世の中甘くは無いみたいだ。


 此処まで分かった事を合わせることで、もしかすると調理・加工された食べ物は食えないのではないか、と言った可能性が首を擡げてきた。


 そうなると調味料の類は半分ぐらいアウト。ベーコンも冷凍食品も喰えないのは言わずもがなだ。ならば次試すべき食品はある程度絞られる。
 確実性を期す前に、まずはツナ缶を開けてみる事にした。

 ただの油漬けなら何とかなるかもしれないと思ったからだが―――――


「ベッ!」


 駄目だな、煮びたしの方がまだマシだ。ギトギトした機械油の様な『何か』に、冗談抜きで臭いのキツい魚をぶち込んで、でも取りあえず食べる為に味を整えました……そんな適当且つクソったれな味がする。


 駄目だろうと値を付けた食品を次々と冷蔵庫の中へしまっていき、テーブルの上にはトマトにキュウリにレタス、塩ビンとワサビとカラシのチューブが残る。


 これだけで食うモノじゃあなかろう食材達が、俺の目の前で堂々テール部に鎮座していると言う訳だ。
 何も知らない人が見れば、何をするのか何をしようとしているのか
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