五話、色々あって忘れた。
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ジと見る。
恐らく、僕よりは背は高い。そして、印象的なのは、髪だ。
その髪は、被った下着で、見え隠れているけど、青い髪がチラリと。
うん、どっかで見たことのある髪の色だね。
てか、青い髪といったらあいつを思い浮かべてしまう。
そいつは、僕の幼馴染みで、原作では兵藤一誠のハーレム一員で。
そして僕が彼女と幼馴染みだった頃に、生涯忘れることのなかろう『トラウマ』を植え付けた張本人で。
………いやいや………まさか……ね? こいつがそうなの?
僕は疑心と恐怖心に満ちた視線を少女に投げかけるも、少女は、ニタリと笑うのみ。
不気味だった。
「……いや………いやいや……まさかね、ハハハハハ??」
「幼馴染みの私が、お前を見間違える筈がない。この私がお前のことを忘れるわけないだろ? この匂いを嗅いだ瞬間、一発で分かったさ。デクタ……お前だとな」
そう言うと、少女は、被っていた僕の下着を振り解く。
そこから出てきたのは、サラサラとしたの青いウェーブ。ついでに、おまけのようについてある前髪にかけてある緑のウィッグっぽいもの。
その青い髪は、吹き抜ける風に乗せられ、青い青い波のように錯覚してしまいそうなその髪に、僕は不意に魅入られてしまった。
「さあ、行くぞデクタ。動けないのだろう? 私が連れて行こう………私の部屋に」
怖い。
一瞬だけそんな感情を抱いてしまった。
でもしょうがないじゃないか。あんな瞳孔の開ききった目を見れば、誰だってそうなる。
「…………」
「何故そんな怯えた目をしているんだ? 何故怖がっている、感動の再会ではないか。……ふむ、私は嬉しいのだがな」
何も写さない瞳が、僕を見ていた。本当に何も写さない。初めて見たような、でも小さい頃に見たようなそんな目。
「う…………く……そ……」
やばい、色々突っ込みたいところあるけど、どうやら僕、限界みたいだ。
てか……眠いや……やっぱり昨日無理しすぎだのかな……。
「寝てしまったか………ふむ」
既に動くこともままら無くなっていた僕を、ゼノヴィアにポフッとおぶられ、その女性特有の背中の柔らかい感触、そしてその彼女の服に何気なく付属していた柑橘系の香りと共に、僕の意識は―――堕ちた。
だけど、僕はそのあと、確かに聞いたのだ。
『―――勇者………少し身体を借りるぞ』
「―――………―――」
どっかで聞いたことのある2つの声と意識からなる声。そして、鉄と鉄がぶつかり合う劈くような衝撃音。
意識が堕ちた暗闇で、聞こえたのはそれだけ。
僕はその時起きた出来事を、きっと思い出すことはない。
こうして語っている昔の僕は、別として、現在の僕は思い出
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