マブラヴ
1087話
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け、微妙な笑みを浮かべてそう告げる。
そこに映し出されている軍艦は、全ての砲台やミサイル発射口、通信アンテナといった部位が破壊されており、既に軍艦とは呼べない有様になっている。
……あえて言うなら、海に浮かぶ棺桶か?
「ご覧の通り、こっちに抵抗してきた為に武器等は破壊してある」
俺の言葉に、アレクサンドルも映像モニタを確認したのだろう。どこか渇いた笑みを浮かべていた。
その気持ちも分からないではない。船体そのものは殆ど無傷に近いとはいっても、武器やアンテナのような外装とでも呼ぶべき場所は殆ど全てが破壊されているのだ。1から艦を作るよりは大分マシだろうが、それでもこの5隻の軍艦を完全復帰させるのにはかなりのコストと時間が掛かるのは間違いない。
『あ、あはははは。その、まぁ、撃墜されて沈没されるよりは良かったという事で』
アレクサンドルの言葉が引き攣っているように感じられるのは、俺の気のせいではないだろう。
「分かった。取りあえずそっちに引き渡すぞ」
『ええ、お願いします』
「量産型W、降伏した者達に艦を向こうの指示に従うように命令しろ」
『了解しました』
取りあえずこれで安心か。緩衝地帯の方も片付いたし、後はビル本人とアメリカ、エザリア率いる政治班に任せておけば大丈夫だろ。
何だかんだと、恭順派の本拠地襲撃から始まった今回の件もようやく終わり、か。
得られたものは多かったけど、疲ればかりが残る戦いだった。
特に恭順派はともかく、G弾信者とオルタネイティヴ5派を潰せたのは大きい、恐らく夕呼辺りはこの経過を聞けば跳んで喜ぶだろう。
「じゃあ、後は全てそっちに任せてもいいな? 俺達はそろそろ帰還するが」
『はい。ご協力、ありがとうござました』
敬礼し、感謝の言葉を述べてくるラビコー少将に頷き、捕らえた中将達も基地の軍人に引き渡し、俺は再び転移フィールドを展開してアラスカとアメリカの緩衝地帯へと向かう。
「へぇ。さすがコーネリアだな」
転移が完了して映像モニタに映し出された光景に、思わず呟く。
別にコーネリアだけが凄いって訳じゃないんだろうが、こうして見る限りだと多くの戦術機やガン・ルゥが手足を失った状態で地面に倒れているのが見える。
リニアガン・タンクは、動けないようにひっくり返されていた。
『リニアガン・タンクは、何でひっくり返されてるんだ? 動けないようにキャタピラを破壊すればいいのではないか?』
俺と同じ疑問を持ったのだろう。スレイが不思議そうに呟くのが聞こえてくる。
それに答えたのは、SEED世界出身で大西洋連邦の軍人だったムウだ。
『ああ、あのリニアガン・タンクって戦車は、キャタピラが破壊されても動けるように
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