序章
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れよりも何がどうなってんだよ!?」
「詳しいことは私にもわからん。だが、ここは危険だ! 早くシェルターへ非難しなさい!?」
親父はそう言って背後の戦闘機に振り返って駆け出していった。
「と、父さん!」
しかし、親父は既に機体に搭乗し、滑走路を移動している。親父の言う通り、俺も空いているシェルターを探さなければ……
基地から離れて俺は再び街中へ出る。その上空には一機の、あの人のシルエットが迫り来るミサイルを撃ち落としている。
そして、そのシルエットに向けて先ほどの基地からスクランブルした戦闘機の数機がシルエットへ戦いを挑む。しかし、シルエットの小回りな動きに戦闘機は次々と撃ち落されていく。
「や、やめろ……」
俺は呟いた。そして戦闘機が撃ち落されるたびにその感情は高まる。
「やめてくれ!」
そして最後に残った一機が人のシルエットとドッグファイトを続けていた。
「もう、やめてくれぇーッ!!」
そのとき、戦闘機は低空で飛行した。その姿を俺ははっきりと見た。機体の尾翼に描かれたエンブレム、それは紛れもなく父さんの機体だった……
そして、その機体はシルエットに翼を切り落とされ、コントロールを失って地上へと急降下する。
父さんがパラシュートで脱出するところは見えなかった。そのまま、父さんの機体は墜落して爆発した……
「そ、そんな……!」
膝が落ち、父さんが死んだことを確信した。そして、そんな俺の頭上へ巨大な瓦礫が落ちてくる。
「!?」
気付いたころには遅く、俺は目をつぶる。だが、その瓦礫は一瞬で粉々になった。落下してこないことに俺はゆっくりと目を開けて、目の前を見た。そこには、あの人のシルエットが……
「だ、誰だ……?」
人のシルエットは全身を白いアーマーに身を包み、頭部も黒いバイザーをして顔が良く見えない。だが、こちらへ顔を向けてきた瞬間、俺はとっさに彼女の名を口にした。
「……千冬?」
「……」
すると、相手はゆっくりと片手でバイザーを上げた。その素顔は、千冬であった……
「そ、そんな!?」
俺は問う。
「千冬? 千冬なのか!?」
「……」
しかし、千冬は俺から目を背けて何も答えない。
「どうして! どうしてこんなことをしたんだ!? さっきからミサイルを撃ち落としていたのはお前なのか? さっきの戦闘機を撃ち落としたのも……?」
しかし、彼女は答えない。ただ、俺から背を向けると、そのまま上空へと飛び立っていった。
*
その後、この事件は後に「白騎士事件」と呼ばれ、人のシルエットことIS「インフィニット・ストラトス」の存在により世界は絶叫した。日本政府はこれらの存在を自分たちの物とするために、事件当時に起こった被害件数をすべて「ゼロ」へと塗り替え、被害者遺族へ口止めを行った
俺の家も当然口止めをされた。し
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