序章
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った。それも、別れを告げずに……
俺は、酷く心を病んだ。この酷い失恋に俺は心を酷く痛め、またいつものダメな男子高生へと逆戻りになった。そう、千冬との思い出は幻のように薄れ、俺は徐々に彼女のことを忘れ去っていった。
そして、今日も俺はなにも変わらない平凡な日常を送っている。
一時俺と千冬がつき合っているという時期には学園中が大騒ぎになり、特に束は大暴れしたこともあった。今となってはそれも無かったかのように平凡な日々に身を投じている。
「……」
近くで手をつなぐ男女の学生を見た。嘗ての俺と千冬のようだった。けど、オレは舌打ちして嫌な目で睨みながら通学路を歩いた。あの時の思い出が忌々しい過去に思えたからだ。
そのとき、ふと俺の頭上から強い風が一瞬起こった。俺の髪をなで、風は一瞬でおさまったかと思った。しかし、違った。
「……っ!?」
突如凄まじい強風が一瞬で俺に襲い掛かると、再び頭上に轟音と共に何かが高速で通過した。
その姿は一瞬であったが、シルエットを見るなり俺は呟いた。
「み、ミサイル……!?」
そう、それは紛れもなくミサイルであった。ミサイルはそのまま上空へと急上昇して上空に浮遊する目標へ突っ込もうとするが、そのミサイルは到達寸前で真っ二つにされて爆発した。
「あ、あれは……!?」
ミサイルを切り裂いたその影、それは……人?
さらに上空からミサイルが降り注いでくるが。そのミサイルの雨は上空の人らしきシルエットによって次々と花火のように上空で爆発していく。
「何が……いったい、何が起こってんだ!?」
すると、背後から急上昇するミサイルがこちらへ襲い掛かった。ミサイルはそのまま一直線に着弾し、逃げ惑う先ほどの学生カップルを吹き飛ばした。
「!?」
俺もその爆風に呑まれて風に飛ばされる。
ビルのガラスが一斉に粉々になって地上へ降り注ぎ下の人達へ降りかかってくる。あちらこちらから悲鳴や助け声が聞こえてくる。倒れた俺は額から血を流しながらよろよろと立ち上がると、そのままとにかく我武者羅に走った。どこか、この恐怖から凌げる場所を探さなくてはならない。
シェルターはどこも満員で、パニックに陥った人々が押し合いを続けている。これじゃあ当然シェルターには入れないな……
「どこへ行けば……」
どこへ行けばいいのかわからずに走り続けた結果、親父のいる航空基地を囲む金網のフェンスまでたどり着いた。
そこで、俺はフェンスに片手を引っかけて息を整えていた。
隣には轟音と共に人のシルエットの迎撃に向かうため戦闘機が発信準備をしているところだった。
そんな中で、ある男の声がフェンス越しに俺へ呼びかけてくる、
「蒼真か!?」
それは、耐Gスーツを身に纏った親父の姿であった。
「父さん!」
「どうしてこんなところに……!?」
「そ
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