序章
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何だ、手伝いだったのか? 俺は、ようやく理解して頷いた。
「明日の朝9時に校門の前に来てくれ!」
「え、別に家が隣なんだし、わざわざ学校までくること……」
「いいから! では、明日9時だぞ? 朝の午前9時だからな!?」
と、だけ言って彼女は一目散に外靴に履き替えて出て行ってしまった。俺が呼び止めるも、彼女はさらに足を速くさせて外で待たせている束のもとへ行ってしまった。
「……?」
結局、彼女は何がしたいのか? わからないまま俺はそのまま明日に備えた。
*
そして、今に至る。
「ったく! 千冬のやつ、言っておきながら遅刻してんじゃねぇか?」
腕時計を見れば、既に15分を経過していた。俺は痺れを切らして携帯を取り出すと、彼女に連絡を取ろうとした、が。
「す、すまない!」
息を切らして汗だくになった千冬がこちらへ走ってきた。
「どうしたんだ? 何かあったのか?」
「き、気にするな! 少し、準備に手間がかかっただけだ……」
「そうか、ところで学校に来たってことは校内で何かしなくちゃいけないのか? 私服のままだと汚れるぞ?」
千冬は、学校へ来るといったからワイシャツの夏服を着てきた俺とは違ってオシャレな私服を来てやってきた。
「そ、それは……別に待ち合わせが学校にしたまでだ! さ、行くぞ?」
「え、ちょっと!」
グイッと俺の手を握って引く千冬に、俺は連れまわされるはめとなった。
「どこへ行くんだ?」
俺は呆れた顔で千冬に尋ねた。それは、さっきから人通りの多い商店街へと向かっているからだ。
「ま、まずは! いろいろと揃えるぞ? ついて来い!」
そう言って、彼女は俺と共に大型ショッピングセンターへと向かった。手伝うのに必要な道具を買いに来たのか? なら、わざわざ大型店舗へ行くよりも近場のホームセンターかコンビニに行けばいいのに……
しかし、俺と千冬がたどり着いたところは、大型ショッピングセンターの洋服売り場であった。そこで、俺は試着室前に待たされる羽目になる。
「作業着でも着るのか?」
って、違う! 違う! これってもしかして……
「ど、どうだ!?」
カーテンを開けて試着した服を俺に見せる千冬に俺は、彼女の言った本当のことをようやく理解した。つまり、これって……
「な、なぁ……? 千冬」
「これはどうだ!?」
本音を聞き出そうとしても、千冬の怒鳴りに驚き、つい従ってしまう。
「う、うん……きれいだと思うぞ?」
「何か適当な口調だ……駄目だ、よし次!」
「トホホ……」
それから次々と店舗を回りながら千冬はご機嫌に俺の前を歩いている。何だ、案外楽しんでいるじゃないか? やっぱり、俺と遊びに出掛けたかったんだな?
ならよかった。最初は学校へ来いっていうものだから、てっきり校庭で除草作業か何かをさせら
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